日本政府観光局(JNTO)が6月20日に発表した今年5月の訪日外国人旅行者数(推計値)は、前年同月比16.6%増の267万5千人となり、5月として過去最高を記録した。政府の訪日促進の重点20市場ではマレーシアを除く19市場が5月の最高値を更新。好調な中国などに加え、欧米豪9市場すべてが前年同月に対して2桁の伸び率を記録した。
中国は29.3%増の66万8600人。JNTOでは「クルーズによる訪日の伸びは限定的だったものの、好調な個人旅行需要に加え、団体旅行も大幅に増加し、4月に引き続き好調に推移した」と説明した。
韓国は、航空路線の拡充や円安が追い風になり、14.6%増の64万400人だった。香港は4.9%増の19万500人だった。
台湾は8.0%増の44万100人。前年は5月だった端午節休暇が今年は6月に移動した関係で旅行需要は減少したが、東北や山口などへのチャーター便の就航、クルーズ船の寄港などで堅調だった。
欧米豪は、訪日プロモーションの効果、旅行先としての日本の認知度の高まりなどで好調。豪州が23.6%増の3万9600人、米国が12.7%増の14万500人、英国が17.2%増の3万300人、フランスが18.6%増の2万9600人、ドイツが17.4%増の2万400人など。
東南アジアでは、マレーシアが1.1%増の3万6400人、インドネシアが26.5%増の3万1500人。両市場ともイスラム教のラマダン(断食)の開始日が5月17日と前年より早まったため、5月の旅行需要にはマイナスだったが、インドネシアは連休を取得しやすい祝日の日並び、インドネシア・エアアジアXのジャカルタ―成田線の就航で大幅に増加した。
タイは16.6%増の10万3600人、フィリピンは34.1%増の5万9千人、シンガポールは14.8%増の3万9400人と好調だった。
今年1~5月累計の訪日外国人旅行者数は、前年同期比15.6%増の1319万4千人だった。
また、今年5月の出国日本人数(JNTO推計値)は、前年同月比5.0%増の138万4千人だった。1~5月累計は前年同期比3.9%増の736万2千人となった。