トレンドExpressは、国慶節(10月1~8日)の訪日中国人旅行客「消費動向分析」を発表した。
株式会社ホットリンクグループである株式会社トレンドExpress(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:濵野智成 以下、トレンドExpress)は、中国のSNS上のクチコミを基に、「国慶節」(10月1日~8日)の訪日中国人の消費予測を発表します。
【調査概要】
新浪微博上で、国慶節に訪日予定だと思われるユーザーのクチコミを収集、分析
調査期間:2017年6 月1日~8月16日
また、国慶節期間に訪日旅行を予定しているユーザー300名に対し、訪日旅行に期待するものについてアンケートを実施。
【行きたい「場所」さらに具体的に、多様に】
「(2017年の)国慶節に訪日旅行に行く」という書き込みのうち、その目的地のわかるものを集計しランキングを作成しました。1位「東京都」、2位「奈良県」、3位「京都府」、4位「北海道」、5位「沖縄県」とインバウンド市場の盛り上がりを見せる各地が並びます。今年は、2016年の同調査では見られなかったピンポイントなスポットが複数ランクインする結果となりました。2016年と2017年の結果を比べたところ、2016年は都道府県が並びましたが、本年は6位「那覇」、7位「宮古島」、9位「富良野」といった、人気旅行地の「沖縄県」「北海道」に含まれる地域が現れています。訪問先を事前に調べて、目的地を細かく定めて訪日する観光客が増加している可能性があります。また、言及されているスポットの総数は2016年の18箇所から39箇所に増加しました。訪日旅行客の需要の細分化が見て取れます。
【ファッションへの関心高まる、日本で一番欲しい「もの」TOP10】
アンケートで、「日本で一番買いたいもの(単独回答)を聞いたところ、1位「化粧品」、2位「日本の服」、3位「ベビー用品」となりました。「化粧品」「ベビー用品」はトレンドExpressの毎週のクチコミ集計でも上位によくランクインするアイテムです。その中で「日本の服」というファッションカテゴリのアイテムが2位にランクインしたことが2017年の特長です。2016年の同様の調査(回答は選択肢から一択)では「ファッションカテゴリ」のアイテムは全体の9位にとどまっていました。2017年の「日本の服」に注目する消費者の年代を回答から確認してみると、19~24歳、25~34歳、35~50歳それぞれの年齢層で15%前後の回答がありました。年代を問わず、昨年よりも日本のファッションに注目が集まっていることがわかります。
データ出所:国慶節期間に訪日旅行を予定しているユーザーを対象に、「日本に来たら何を買うか」質問、回答を集計(自由回答)
そのほか、5位「美顔器」、6位「腕時計」、8位「オニツカタイガー」、14位「ミラーレス一眼レフカメラ」がランクインしています。親族友人へのお土産だけでなく、「自分のためにこれだけは買っておきたい」と考えての消費が起きているとも考えられます。クチコミを見たところ「日本へ行ってカメラを買いたいけど、言葉ができないから無理だな」という書き込みもあり、訪日外国人が増加し通訳対応がスムーズになってきている現実がありながら、それを知らず不安を感じている方もいることがわかります。衣服に関しては「日本の服は安い」という声や、レンタルかもしれませんが温泉で子供に甚平を着せて「日本の子供みたい!」と楽しんでいる様子が見られました。
【施策に生かせる調査結果 男女別・日本で一番したい「コト」TOP5】
アンケートではほかに「国慶節期間に日本で一番やりたいこと」について、自由回答で調査しました。結果を男女別に集計したTOP5は、女性が1位「買い物」、2位「着物を着る」、3位「エステに行く」、4位「夜景を見る」、5位「民宿に泊まる」となりました。男性は1位「写真撮影」、2位「民宿に泊まる」、3位「買い物」、4位「日本の田舎に行く」、5位「日本で走る」となっています。男性が「撮影をしたい」と考える理由には、訪日旅行といったハレの日を記録に残したい、親族友人に報告したいという心理が考えられます。この結果からは、男女に共通している「日本体験」の需要は「買い物」のほかに「民宿に泊まる」であるということがわかりました。「民宿」が男女カップルへの訪日旅行の需要喚起に有効である可能性がうかがえます。男性の1位「写真撮影」、女性の4位「夜景を見る」の2つの体験を掛け合わせ、民宿に泊まり、美しい星空を見るツアーをカップル向けに売り出せば、集客できるだけでなく体験後の満足度も高くなりそうです。