農林水産省は野生動物の肉を使うジビエ料理の普及をにらみ、事業者や地方公共団体などからの相談や問い合わせに官民連携で対応するワンストップ相談窓口を開設した。ジビエ料理の提供を考える旅館・ホテルも活用できそうだ。
同省によると、農村地域では深刻な被害をもたらす野生鳥獣の被害防止対策が進み、捕獲数が増加。これを地域資源と捉え、ジビエとして有効活用する取り組みが広がっている。具体的には地元の料理店などと連携した料理や加工品の開発、普及のためのイベント開催などだ。
同省はジビエ利用に取り組む地域を支援するため、知識や経験を有する民間の有識者で成る「ジビエ利用拡大専門家チーム」を発足。「省とチームが官民連携で対応、支援する。気軽に相談してほしい」と農村環境課鳥獣対策室。
相談窓口は午前9時半から午後6時15分まで開設(土日祝日と年末年始を除く)。専用電話は03(3502)6571。メールはgibier-soudan@maff.go.jp ジビエは野うさぎやシカ、イノシシなど狩猟によって食材として捕獲される野生鳥獣やその肉。フランス語でgibierと表記される。ヨーロッパでは貴族の伝統料理として、古くから発展してきた食文化だ。
日本ではイノシシの肉のぼたん鍋などが食されてきたが、その食習慣や食材としての魅力などは一般になじみが薄かった。しかし、近年はこれらをジビエと呼び、積極的に料理に活用する動きも出ており、消費も拡大しているという。
ジビエ料理を提供する旅館・ホテルも増えており、楽天トラベルは「ジビエ料理が人気の宿」といったランキングを発表している。
それによると、1位になったのは静岡の「源泉かけ流しの湯 御宿 さか屋」。鉄板に山盛りにした天城産の野菜に薄切りのイノシシや牛、豚肉をかぶせて蒸し焼きにしてポン酢で食べる「大名焼」が人気という。また、4位には愛媛・道後温泉の大和屋本店が入っている。