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地域観光 ■第2456号《2008年2月16日(土)発行》
第20回「岩切賞」は宮崎県日南市に
復元された飫肥地区の大手門
観光振興に貢献した団体、個人を表彰する「第20回岩切章太郎賞」は、宮崎県日南市に決まった。主催の宮崎市が7日発表した。歴史的な建造物の復元、海岸線や棚田といった景観の活用など、市民参加型の地域づくりが高く評価された。贈呈式は4月24日、日南市の国際交流センター小村記念館で行われる。
日南市は、宮崎県南部に位置し、人口は約4万4千人。官民一体の取り組みで、歴史、自然を生かした観光地域づくりを進めて、06年の観光客数は107万8千人に上る。
城下町として栄えた飫肥地区には、歴史を感じさせる町並みが広がる。城内の建物の多くは明治期に取り壊されたが、市民運動により大手門の復元などの整備が進められた。九州で初めて国の重要伝統的建物群保存地区にも選定された。
このほかにも、飫肥杉とマグロ景気で栄えた時代の運河や倉庫などが残る油津地区、鵜戸神宮やサンメッセ日南がある日南海岸国定公園、「日本の棚田百選」に選ばれた坂元棚田などの観光資源がある。
受賞について日南市の谷口義幸市長は「観光資源に恵まれ、観光客をおもてなしの心で迎えるボランティア活動も積極的に行っている。今後も『住んでよし、訪れてよし』のふるさとづくりと合わせ、魅力ある観光地づくりを市民とともに進めたい」とのコメントを発表した。
今回は、208件の候補の中から選考。選考委員会は、著名人や有識者7人で構成され、委員長は作家・放送作家の永六輔氏が務めた。
観光視察会実施、都市緑化フェアをPR 群馬県
「緑化フェア」の前橋会場
群馬県と県観光国際協会は4、5の両日、首都圏のマスコミや旅行業者を招き、観光資源をPRする「ぐんま観光フェア2008」を実施した。3月末から始まる「全国都市緑化ぐんまフェア」(花と緑のシンフォニーぐんま2008)の宣伝がメーンで、5日、高崎市で行われた観光プレゼンテーションには大沢正明知事も参加し、観光関係者とともに緑化フェアの成功と群馬の観光の素晴らしさをアピールした。
県の積極的な呼びかけもあり、観光フェアの参加者は総勢200人となった。
緑化フェアは3月29日から6月8日までの72日間、前橋、高崎両市を総合会場とし開かれる。前橋会場は前橋公園と敷島公園を整備し、「自然の記憶」「和みの庭」といったゾーンを配置、様々な樹木や花で彩る。県内の旅館組合の協力を得て足湯も設ける。高崎では城址公園周辺をメーン会場とするが、JR高崎駅から城址公園までの間(徒歩約15分の距離)にも花などを飾り、メーン会場と合わせて一体的に展開する。
いずれも入場無料。入場者数は100万人を目標に掲げており、緑化フェア開催を機に、観光客増加に弾みをつけたい考えだ。
観光プレゼンであいさつした大沢知事は、「これまでは『まるごと群馬デー』と称し、東京などで観光PRを行っていたが、実際に(群馬に)来てもらい、知ってもらうのが一番と考えこのフェアを企画した」と強調、出展している観光業者らにエールを送る一方、県外からの招待者と意見交換した。
レセプションでは上州牛やこんにゃくなど県産食材を使った料理が出された。観光関係者も招待者に自慢の観光資源をPRし、商品造成や情報発信を呼びかけていた。
大手旅行業者の1人は「緑化フェアは花好きにはこたえられないイベントであり、温泉と組み合わせた商品を検討してみたい」と造成に意欲を示した。
奈良県、公募で大型ホテル誘致へ
奈良県は12日、奈良市内の県有地に公募型プロポーザル方式で大型ホテルを誘致すると発表した。「宿泊施設数が少なく、需要に対応できていない」(同県)ことから収容力を強化する。平城遷都1300年祭が開催される2010年の秋の営業開始を目指している。
ホテル誘致の対象となる県有地は、今年9月末に廃止される奈良県営プールの跡地で、敷地面積は約1.9ヘクタール。4月に公募型提案競技応募要項を配布し、6月に事業計画提案書を受け付ける。7月には事業主体予定者を選定する。
奈良県には年間3500万人の観光客が訪れる。外国人観光客数は全国10位の29万5千人。一方、ホテルは施設数で46軒(全国46位)、客室数では2661室(全国47位)と慢性的に不足している。
京都市と奈良県を比較すると、京都市が年間観光客数4839万人、宿泊観光客数1265万人で宿泊率が26.1%なのに対して、奈良県は年間観光客数3500万人、宿泊観光客数340万人、宿泊率9.7%となっている。
公募に関する問い合わせは、奈良県商工労働部工業支援課企業立地促進グループ(電話0742-27-8813)。
湯西川温泉流域活性化センター長を公募 日光市
栃木県日光市は、4月に開設する「湯西川温泉流域活性化センター」のセンター長を全国から公募する。同流域では、国土交通省の直轄事業による湯西川ダムの建設に伴い、地域活性化のための各種事業が計画、実施されており、観光振興や地域振興の施策推進に手腕を発揮できる人材を求める。
センター長の業務は、(1)湯西川・西川地域の観光拠点施設の助言、地域連携と地域活性化策の創出(2)新しい発想によるユニークな地域振興策の企画立案(3)観光振興策の調査、研究 など。勤務先は「湯の郷湯西川観光センター(道の駅湯西川)」。
応募資格は、年齢がおおむね35歳以上、湯西川流域に居住できること。このほか普通自動車免許、パソコンの操作を条件に挙げ、国内旅行業取扱主任者の資格者を歓迎するとしている。
待遇は、湯西川・川俣・奥鬼怒温泉観光協会職員の身分で、雇用期間は原則2年間(勤務状況により延長)。年収は700万円程度、住宅を斡旋、四輪駆動車を業務用に貸与する。
2月18〜19日には1泊2日で現地説明会を開催する。説明会に参加しなくても応募できる。履歴書や作文を送付、書類審査の上、面接考査などに進む。応募締め切りは3月3日必着。
問い合わせは、日光市役所栗山総合支所ダム地域振興課(電話0288-97-1125)
08年テーマは「美(うま)し国」 三重県
野呂知事と観光関係者
三重県と三重県観光連盟は6日、大阪市天王寺区のシェラトン都ホテル大阪で、「平成20年三重県観光・記者発表会及び交流会」を開催した。旅行会社や報道関係者約200人が出席。三重県の08年テーマを「美し(うまし)国 三重」と発表、食、自然、歴史、文化などを中心にアピールする。上野城や二見浦など4カ所の風景が入ったポスターも披露した。県内の観光イベントなどは各担当者が説明した。
神宮司庁は、2013年の伊勢神宮式年遷宮を紹介。09年は宇治橋の架け替えが行われる。前回の宇治橋渡始式には1日で13万人が参拝した。伊勢神宮は近年参拝者が増え、昨年は708万人を記録、特に若い女性の姿が多いという。
近畿日本鉄道は、伊勢志摩観光コンベンション機構と主催する「伊勢志摩スマイル・フォトコンテスト」を説明。家族や自分の笑顔の写真コンテストで、ベストスマイルフォトに選ばれると、2泊3日の伊勢志摩旅行が贈られる。
津市は、藤堂高虎公津入府400年記念事業をアピール。08年4月から09年3月まで、季節に合わせたイベントを展開。4月26日のオープニングイベントでは、伝統芸能や400人の大茶会が開催される。
伊賀上野観光協会は、インターネット上の仮想世界サービス、セカンドライフ内に、伊賀忍者の体験テーマパークをオープンすると説明した。外客誘致に活用する。
三重県観光局は、カーナビのマップコードに対応したドライブマップを作成。近年注目を集める自動車による個人旅行「ドラ旅」の誘客を図る。
交流会では、野呂昭彦三重県知事があいさつに立ち、「営業を再開した赤福では、行列ができ、売り切れになったという連絡が入った。新名神高速道路の亀山JCT(三重県)から草津田上IC(滋賀県)間の開通、伊勢神宮式年遷宮など、追い風になった観光に力を入れていきたい」と話した。
来年実施のデスティネーションキャンペーンのロゴマークなど決定 兵庫県
DCのロゴマーク
兵庫県の地元自治体や観光関係者で組織する「兵庫県大型観光交流キャンペーン推進協議会」はこのほど、09年4月1日から6月30日までJRグループと共同で開催するデスティネーションキャンペーン(DC)のキャッチフレーズとロゴマークを決定した。
キャッチフレーズは「あなたに会いたい兵庫がいます」。「出会い」をテーマに、兵庫の歴史、文化、食、風景、観光地との出会いなど、本物の兵庫と出会ってほしいという気持ちを表現。ロゴマークは、兵庫県の多様な観光資源の魅力を、県内市町数と同数の41の7色モザイクで表した。
また、ロゴマークに描かれた「観光大使はばタン」は兵庫の楽しさやおもてなしの心を表現、観光地やシーンごとに異なったポーズにする。はばタンは、06年の「のじぎく兵庫国体」のマスコットとして人気を集め、07年4月から「兵庫県マスコット」として県政をPRしている。
兵庫県大型観光交流キャンペーンは、DCなどを含む、08年5月から09年6月までの取り組みを総称したもの。
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