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インバウンド ■第2625号《2011年9月17日(土)発行》    
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訪都外国人旅行者、10年は過去最多の594万人に

 東京都の「観光客数等実態調査」によると、2010年に都内を訪れた外国人旅行者は約594万人で、過去最多となった。「10年7月の中国人向け個人観光ビザの発給条件緩和や、10月の羽田空港の再拡張・国際化が影響した」(観光部企画課)。

 観光関連施設や行祭事・イベント主催者に集客数を照会し、訪れた旅行者へのアンケート結果などから推計。

 訪都国内旅行者は4億6千万人で、こちらも過去最多。「日帰り客の増加が目立った」という。都内で消費した金額は4兆5千億円で、うち外国人によるものが4585億円となっている。

 観光消費が都内経済に及ぼす生産波及効果は9兆8千億円、雇用効果は52万人に上る。うち、外国人によるものがそれぞれ1兆円、5万6千人と試算される。

目的は買物 新宿に満足 訪都外国人
 東京都が都庁などにある東京観光情報センターを訪れた外国人旅行者約1700人を対象に実施した「2010年行動特性調査」によると、訪問目的は買い物(49.3%)で、もっとも満足した街は新宿(13.1%)だったことが分かった。

 買い物以外では飲食(38.3%)、散策(34.6%)が多い。特に、買い物はアジア人の割合が高い。新宿に次いで満足度が高かったのは銀座(8.4%)で、以下、浅草(8%)が続く。「アジア人は新宿、お台場に対する満足度が高く、欧州・北米・豪州人は渋谷、浅草に関心を示す」と観光部企画課。

 情報の入手先を聞いたところ、インターネットがもっとも多く54.4%に上り、次いでガイドブック(43.7%)、知人(21.4%)。東京の旅行に対しては90.3%が「満足している」と答え、再来訪の希望は92.5%に達している。




国際観光サービスセンター、ウェルカム・イン廃止へ
 国際観光サービスセンター(=財団法人、向山秀昭会長)は、非営利事業として運営する訪日外国人旅行者向けの宿泊予約支援サービス「ウェルカム・イン予約センター」を来年3月末で終了することを決めた。低料金で安心して宿泊できる旅館・ホテルへの予約支援を目的に約20年間にわたって事業を展開してきたが、東日本大震災、原発事故の影響を受けて利用者数が激減し、継続は難しいと判断した。

 予約センターは1991年4月に開設。現在、参加登録している宿泊施設は全国に約380軒。宿泊施設が支払う入会金と年会費、予約成立実績に応じた分担金を主な財源に運営されてきた。

 観光案内所に併設する予約カウンターとインターネットの予約システムを通じて宿泊予約を支援。予約カウンターは成田空港(第1・第2旅客ターミナル)と関西空港の外国人案内所、東京・有楽町の外国人観光案内所、京都市の京都府国際センターの5カ所。ネットの予約支援システムは02年から稼働している。

 参加施設は小規模の旅館・ホテルなどが中心。近年でも参加施設数は増加傾向にあったという。欧米の個人旅行者を中心に利用され、予約成立件数は09年に6万3173人泊に達するなど近年では年間6万人泊ほどの実績があったが、震災、原発事故の発生以降は激減。今年1〜6月は前年同期比76.1%減の6200人泊にとどまった。

 国際観光サービスセンターの笹口和彦事務局長は「訪日観光に対する原発事故などの影響が長引いている。利用者数の大幅な回復の見通しが立たない中で、今後も事業を続けることは採算の面からも難しいと判断した」と説明した。京都の予約カウンターは他に先行して11月末で閉鎖する。

 参加宿泊施設には7月末に事業の終了を連絡した。サービス開始当初から参加している東京都台東区の旅館、澤の屋の澤功氏は「ウェルカム・インへの参加からインバウンドに取り組み始める宿も多い。何らかの形で機能を残してほしい」と事業終了を惜しんでいる。



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