旅行会社やネットエージェントが選ぶ第27回「にっぽんの温泉100選」(主催=観光経済新聞社)は、草津温泉(群馬県)が11年連続の1位に輝いた。観光庁が後援に加わり、「観光業界が認める温泉地ランキング」として厚みを増した今回も、草津の人気は変わらなかった。9月中旬の中間発表では1位だった由布院温泉(大分県)は2位。入れ替わりに昨年2位の登別温泉(北海道)が3位となった。また、2013年度の「人気温泉旅館ホテル250選」と「5つ星の宿」も決定した。
にっぽんの温泉100選は、旅行のプロである旅行会社の投票によって人気の温泉地を選んでもらうことで、どのような温泉地が旅行者に支持されているのかを探るのが目的。併せて、温泉地ランキングに刺激を受けた全国の各温泉地が競って地域の魅力に磨きをかけることも狙いとする。
後援は観光庁のほか、日本旅館協会、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本温泉協会、日本旅行業協会、全国旅行業協会、日本観光振興協会、日本政府観光局、公益財団法人日本交通公社。旅行や宿泊にかかわる、これほどの行政や団体がお墨付きを与える温泉地ランキングはほかにない。
投票はJTBや近畿日本ツーリスト、楽天トラベルなどの旅行会社やネットエージェントを対象に7月1日から10月末まで実施。有効投票ハガキ枚数は1万2184枚、1枚のハガキに温泉地を5カ所まで記入でき、総投票数は3万3192票となった。観光経済新聞社と後援の観光8団体による審査会は2日、観光経済新聞社本社(東京都台東区)で開かれた。
温泉100選では、泉質の良さが評価され、上位入選する傾向が強い。1位の草津温泉は、まさにそれで、加えて、温泉地の魅力づくりの創造と改革に官民一体となって取り組む姿勢があるだけに他の温泉地の追随を許さない。今年4月には江戸、明治期に存在した共同湯「御座之湯」を草津のシンボル「湯畑」の近くに再現、オープンした。
2位の由布院温泉は、調和のとれた景観と宿泊満足度の高さで人気だ。9種類の泉質を楽しめる登別温泉が3位だった。
別府八湯(大分県)は、過去3回不動の4位、5位だった黒川温泉(熊本県)、指宿温泉(鹿児島県)を追い抜いて、昨年9位から4位に。歩いて楽しめる温泉地の代表格と言え、各種体験型プログラムを集めた「温泉泊覧会」や温泉施設を巡る「温泉道」などのイベントを展開している。
10位の箱根湯本温泉(神奈川県)は昨年11位からのベスト10入り。
人気温泉旅館ホテル250選は、旅行会社などが選ぶ旅館・ホテルの人気投票。5回以上の入選を果たした優秀旅館ホテルには「5つ星の宿」の称号を贈っている。来年1月24日にはその認定証の授与式を東京の浅草ビューホテルで開く。
にっぽんの温泉100選実行委員会メンバー(順不同)=中村義宗・日本旅館協会専務理事▽清沢正人・全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会理事▽布山裕一・日本温泉協会事務局長▽興津泰則・日本旅行業協会国内・訪日旅行推進部長▽若井茂・全国旅行業協会事務局長▽長嶋秀孝・日本観光振興協会常務理事▽大野金幸・日本政府観光局事業連携推進部長▽梅川智也・公益財団法人日本交通公社理事・観光政策研究部長▽積田朋子・観光経済新聞社社長
プロが選んだ「第27回にっぽんの温泉100選」発表
プロが選んだ「2013年度 人気温泉旅館ホテル250選」発表