にっぽんの温泉100選 | 人気温泉旅館ホテル250選 | 5つ星の宿 | 部門別100選 | 宿のパンフ | ベストセレクション | 宿の必需品 | 観光経済の本

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
  アーカイブ
→ PR
→ 宿の必需品
目次
→ 観光業界人インタビュー
→ このひと
→ いらっしゃいませ!
→ 最新宿泊&施設情報
→ 特集
→ データ
→ 注目トピックス
→ 2016年のニュース
→ 2016年の写真ニュース
→ 2015年のニュース
→ 2015年の写真ニュース
→ 2014年のニュース
→ 2014年の写真ニュース
→ 2013年のニュース
→ 2013年の写真ニュース
→ 2012年のニュース
→ 2012年の写真ニュース
→ 2011年のニュース
→ 2011年の写真ニュース
→ 2010年のニュース
→ 2010年の写真ニュース
→ 2009年のニュース
→ 2009年の写真ニュース
→ 2008年のニュース
→ 2008年の写真ニュース
→ 2007年のニュース
→ 2007年の写真ニュース
→ 2006年のニュース
→ 2005年のニュース
→ 2004年のニュース

 

旅館・ホテル ■第2741号《2014年3月1日(土)発行》    
 

旅館経営者が講演、「IT」「入湯税」テーマに

 観光産業の将来を見据える旅館の経営者2人が、ITの活用による経営改善、温泉まちづくりの財源確保、それぞれのテーマで語った。日本旅館協会が2月19日に東京都内で開いた経営セミナーでの講演。旅館業、観光地域の多くが直面している課題への取り組みを基に、新たな切り口で活性化へのヒントを提供した。

ITの活用で経営改善 元湯陣屋・宮﨑氏
顧客情報、経営指標を共有

 「ITを活用したおもてなしの向上」と題して講演したのは、元湯陣屋(神奈川・鶴巻温泉)の社長、宮郫富夫氏。自動車メーカーのエンジニアだったが、父の他界などで4年前に急きょ旅館を引き継ぐことに。ITを活用した業務改善に取り組み、経営危機を乗り切った経験を基に語った。

 元湯陣屋は大正7年の創業で、客室が20室、庭園が約1万坪。売り上げの構成比は半分が宿泊で、残りが日帰りとブライダル。従業員は正社員が30人、パートが50人。引き継いだ当時は、リーマン・ショック後で売り上げが低迷、大幅な赤字が続いていたという。

 「旅館存続の危機にあり、短期間で売り上げアップと経費削減が求められていた」。しかし、売り上げアップを図るにも、顧客情報は前女将の「頭の中」、営業情報は担当者の「手帳の中」。経費を削減するにも、料理は調理場任せで原価管理が不十分、人件費は月末まで分からない状態だった。

 経営改善に向けて打ち出した方針は、(1)情報の見える化(情報共有)(2)PDCA(計画、実行、評価、改善)の高速化(月次管理から日次管理へ)(3)情報の活用(顧客履歴などをおもてなしや営業に生かす)(4)業務の効率化(客とのコミュニケーションを増やす)。

 限られた投資で方針を具体化するには自社に適したシステムが必要として、エンジニア1人を採用し、予約・顧客情報、売り上げ分析、原価管理などすべての業務を一元管理するクラウドプラットフォームを利用した「陣屋コネクト」を独自に開発。従業員がパソコン、スマートフォンなどを使って情報を入力、閲覧できるようになった。

 おもてなし向上に関しては、台帳やホワイトボードに記載していた予約・顧客情報をシステムを通じて共有できるようになり、「お客さまカルテから先読みし、細やかで積極的なおもてなしが可能になった」。営業情報を含めて、「社内SNS(掲示板)を活用することで、部門を越えた情報共有も進んだ」。

 経費削減の一例では料理に関する仕入れや販売のデータを入力して管理し、商品別に算出した原価率の目標値と、実績値を比較した。目標値との差を「ロス」と位置付け「原価率を下げろとは言わずに、ロスを減らそうと言って取り組んだ」。

 システム稼働の成果を含めた4年間の変化として、売り上げで60%増、人件費率で14%減、料理原価率で10%減を実現した。「経営指標の情報を共有できるようになり、スタッフのコスト意識や危機意識が向上した」。

 当初は、従業員の間にシステムを利用することへの抵抗感もあったが、「勤怠管理などログインしないと仕事にならない環境にした。最初は苦労していた70歳のパートさんも今では普通に使っている」。

 他の旅館の経営手法を学び、システムをともに進化させようと、2012年4月に別会社を設立し、陣屋コネクトのライセンス販売を開始。現在、全国の旅館・ホテルなど70施設が導入している。

入湯税を地域づくりに 由布院玉の湯・桑野氏
活用のあり方、議論喚起へ

 「入湯税の活用による温泉地のまちづくり」と題し、由布院玉の湯(大分・由布院温泉)の社長、桑野和泉氏が講演。自身が委員長を務める日本旅館協会・女性経営者委員会、由布院温泉が参加する「温泉まちづくり研究会」(事務局・公益財団法人日本交通公社)での検討を踏まえて提言した。

 「地域に魅力がないと、旅館経営は持続しない。自治体が行財政改革で観光予算の見直しを進める中、地域を挙げてまちづくりに取り組むには、安定的な財源が必要」として、温泉の入湯客から集める入湯税に着目し、地域の実態に見合った活用策を検討するように呼びかけた。

 入湯税は目的税で市町村の税収。その使途は(1)環境衛生施設の整備(2)鉱泉源の保護管理施設の整備(3)消防施設などの整備(4)観光の振興—にかかる費用と定められているが、観光以外の施設整備に多く配分されていることも多く、温泉旅館などには「観光振興に還元されていない」との不満もある。

 「行政との財源の取り合いではない。お客さまからお預かりしている入湯税は、お客さまに満足してもらえる温泉地づくりに使うべきではないかということ。入湯税について考えることは、温泉地の観光関係者の使命だ」

 由布院温泉では、地域を挙げた旅行者の満足度向上や滞在時間の拡大をはじめ、自然環境や住民生活との共存などまちづくりの課題を抱える。隣接するエリアの黒川温泉(熊本県)との連携、豪華列車「ななつ星in九州」の運行に伴うオール九州での広域連携なども重要度を増している。

 「観光協会などが仕事をするには、予算も、人も必要。特に人を育てるプラットフォームがないと地域は持続せず疲弊してしまう。入湯税を観光振興に使えれば、何でもいいというわけではない。地域それぞれの未来像に応じて目的を明確にして活用のあり方を考えるべき」

 各地の事例にも注目する。入湯税の決められた一定割合を観光協会や旅館組合に還元している自治体、入湯税をかさ上げして新たな増収部分をまちづくりに活用することを検討している自治体などがある。「それぞれの地域が議論し、情報を共有することで温泉まちづくりの現場が変わる」。



入湯税の使途、旅館の6割「知らない」
 日本旅館協会の女性経営者委員会はこのほど、会員の旅館・ホテルを対象に実施した入湯税に関するアンケート調査の結果をまとめた。市町村の入湯税の使途について「知らない」とする回答は、全体の約6割を占めた。

 アンケート調査票は昨年10月に配布。483軒から回答があった。

 入湯税の市町村税の税収額を「知っている」は55%、「知らない」は45%。入湯税の使途に関しては「知っている」が41%に対し、「知らない」は59%に上った。

 複数回答で聞いた、希望する入湯税の使途については、「観光振興」を75.8%が挙げた。「鉱泉源の保護管理」が51.1%、「観光施設の整備」が45.3%、「消防施設等の整備」が11.0%、「環境衛生施設の整備」が10.8%。入湯税の使途に関して「市町村に要望したことがある」は全体の31%だった。



全旅連青年部が県部長サミット

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)青年部(山口敦史部長=山形県・ほほえみの宿滝の湯)は2月18日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された国際ホテル・レストランショー会場で「平成25年度第3回県部長サミット」を開いた。経営改善や異業種とのコラボをテーマに「旅館アカデミー」「異業種コラボ事業」の各委員会が発表。優れた青年部活動を表彰する「褒賞」の今年度実施概要も報告した。

 旅館アカデミー委員会は「旅館改善劇場 旅沢直樹」と題して、銀行に破綻懸念先と区分された旅館の再建例を劇で紹介=写真。従業員のマルチタスク化や、「相見積を必ず取り業者を見直す」「仕入部を設置して備品在庫チェックを徹底」などを提言した。

 異業種コラボ事業委員会は、「コラボが生む新たな可能性」と題して、異業種との連携による温泉地の活性化事例を発表したほか、資生堂、東急ハンズなど企業4社の社員と、今後のコラボの可能性をディスカッションした。

 青年部活動の優れた事例を表彰する「褒賞」は、10月8日に京都府で行われる青年部全国大会で表彰式を実施。今回は2012年8月1日から今年7月31日までの事業を対象にエントリーを募り、審査の上、「地域の活動」「県・ブロックでの活動」各部門で最優秀賞を1点ずつ授与。ほかに優秀賞、全旅連青年部OB会賞などを用意している。申請方法は4月の青年部総会で発表する。

 当日はこのほか、国際ホテル・レストランショーに出展した企業17社による旅館・ホテル向け商品・サービスの説明会も行われた。

 青年部は6月4日に仙台市で行われる全旅連全国大会に合わせて創立45周年記念大会を実施。来年2月18日は東京ビッグサイトで「第2回旅館甲子園」を行う。



JCHAがホテル経営者セミナー

 全日本シティホテル連盟(JCHA、藤野公孝会長)は2月17日、「2014ホテル経営者セミナー」を東京都千代田区の都市センターホテルで開催した=写真。全国から会員を中心に107ホテルが参加。「人を動かす企業経営と組織づくり」をテーマとし、講演ではネッツトヨタ南国(高知市)、取締役相談役の横田英毅氏が、「満足と幸せを分けて考えよう」と提案した。

 ネッツトヨタ南国は全国のトヨタ販売会社のなかで顧客満足度12年連続1位と顧客サービスで高い評価を受けている。

 横田氏は「お客さま、社員を『満足させる』のも大事だが、もっと大切なものは『幸せにする』ことだ」と指摘。満足の先にあるのは幸せではなく大満足で、満足は「利己」「物事の量」「結果」と関係があり、幸せは「利他」「物事の質」「プロセス」と関係があるなどと説明し、「満足と幸せを分けて考えることが、これからのサービス業、販売業にとって非常に大事だ」と訴えた。

 このほか、湯河原温泉郷「料亭小宿ふかざわ」の社長、深澤里奈子氏の講演などが行われた。

 藤野会長は「会員ホテルはみんな経営が苦しい。こんな時だからこそ、今回のセミナーで社員一丸となった企業づくりを考えてほしい」と話す。



▲ページトップへ
週刊 観光経済新聞
観光業界トップメディア
観光に専門特化
観光立国を推進
JAPAN Endless Discovery
個人情報著作権等ご購読広告掲載お問い合わせ

写真、見出し、記事など全てのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます。著作権・著作隣接権は観光経済新聞社に帰属します。
Copyright (c) 1999ー2017 Kankokeizai News Corporation
All Rights Reserved