年末まで2カ月となり旅行各社が年末年始の旅行商品の販売に力を入れているが、併せておせち商品の販売も本格化している。東日本大震災後初めての正月ということもあり、家族の絆に訴求した商品や東北の旅館・ホテルのおせち商品を拡充するなどして取り扱い拡大を図っている。
近畿日本ツーリスト(KNT)は、売れ筋の2万5千円までの商品の強化など、商品ラインアップを拡充。また特に今年は、震災後の「家族の絆」などを重視する動きをとらえ、今年は三世代家族で楽しめるよう「くまのプーさん」などのキャラクターをあしらったおせちの取り扱いを始めた。一部商品での割引施策なども奏効し、前年比約5割増の販売個数、売上高を目標に掲げる中、9月26日の発売から10月半ばまでの販売個数は5割増。出だしは好調と言えそうだ。
旅館・ホテルのおせちなど約60種類のおせちを取り扱うトップツアーも販売個数を伸ばす。ラインアップを拡充した東北地方の旅館・ホテルのおせちでは予定個数を上回っているものもあり、「追加発注を行い対応しているものもある」と同社。
JTBでもおせち料理、お歳暮、年末年始料理を商品化した「おせちの鉄人」で、東日本大震災復興の願いを込めて、東北のおせちとギフトを新たに設定している。10月24日時点でのおせちの販売は前年並みだが、すでに完売した商品も。ギフトでは、アンテナショップなどで人気の岩手県釜石市「中村家」の「三陸海宝漬」の売れ行きが好調だという。