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観光経済新聞社は24日、主催する第28回「にっぽんの温泉100選」(観光庁と観光関連8団体後援、トラベルジャーナル社協賛)の中間集計をまとめ、発表した。それによると、草津温泉(群馬県)がトップの座を確保し、12年連続1位に王手をかけた。由布院(大分県)がそれに迫る。以下、下呂(岐阜県)、別府八湯(大分県)、登別(北海道)と続く。投票は10月末で締め切られ、最終順位は12月初旬に開かれる予定の100選実行委員会の審査で決まる。
大手、中堅旅行業者やネットエージェントなどからの投票は7月から始まった。中間発表は事務局(本社)に届いた8694枚の投票はがきを集計した。
第27回中間集計では由布院が初めてトップの座を射止め、11年連続1位の実績を誇る草津の牙城を崩すのか注目されたが、結局、草津が底力を発揮し、1位に。今回は草津が万べんなく票を集め1位となっているが、由布院との差は接近している。後半にどんな展開をみせるのか予断を許さない。
草津は温泉の魅力を生かすまちづくりに積極的に取り組んでおり、今年7月には棚田風の広場「湯路広場」がお目見えした。10月には湯もみを披露する「熱の湯」の改装に着手、来春オープンを目指す。こうした一連のまちづくりを旅行業者も高く評価、送客がしやすいとして票を集めた。
由布院の景観を重視したまち並みは旅情豊かで、相変わらず女性の人気が高い。離れを持つ情緒豊かな旅館が点在し、温泉リゾートとしてにぎわいを見せる。草津同様、送客のしやすさが旅行業者の支持を得ている。
5位から3位と順位を上げたのが下呂。日本3名泉の一つとして根強いファンを持ち、ブランド力は健在だ。草津と常に首位を争い、草津を脅かす存在だった登別は5位にとどまっており、後半の追い上げに期待したい。
中間段階で新たに100選にランクインしたのは13温泉地。塩原(65位、栃木県)や須川高原(71位、岩手県)、つなぎ(74位、同)などの躍進が目立つ。
塩原は温泉の発祥が1200年以上も前の大同元年(806年)と歴史が古い。派手さはないが、泉質の多様性や豊かな自然は今後注目を集めそうだ。また、須川高原は栗駒山の北方、標高1100メートルの高所にある温泉地で、国民保養温泉地の指定を受けている。100位に滑り込んだ妙見(鹿児島県)も国民保養温泉地で、近年人気が高まりつつある。
第27回から観光庁が後援している。観光関連8団体は日本旅館協会、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本旅行業協会、全国旅行業協会、日本観光振興協会、日本政府観光局、日本温泉協会、公益財団法人日本交通公社。最終結果は12月13日付紙面で掲載する。