サービス産業生産性協議会(代表幹事・牛尾治朗ウシオ電機会長)は、サービス産業のイノベーションや生産性向上に役立つ先進的な取り組み事例を「ハイ・サービス日本300選」として表彰しているが、27日までに27の企業・団体を新たに決めた。観光関連では星野リゾートなど4社が選ばれている。
長野県の星野リゾートは1914(大正3)年に開業した軽井沢の温泉旅館だったが、バブル崩壊後に起こった業界低迷を機に事業内容をリゾート運営業に特化した。顧客満足度調査の結果を重視したサービスの提供とともに、従業員の労働生産性を向上させる人的マネジメント体制など、様々な手法を導入。経営破綻した旅館・ホテル、リゾートの再生、運営に成功している。
「現在、外資系ホテルグループによる国内進出への対抗策としてスモールラグジュアリー・リゾート展開を行い、互角に戦える日本のホスピタリティの確立、運営実現に注力している」と同協議会。
旅行・ツアー専門サイト「沖縄ツアーランド」を運営している沖縄県のパム。地域に特化した観光情報を様々なメディアによって提供し、観光客がそれぞれのニーズに応じて利用できるサービスを創出している。同協議会によると、沖縄観光情報フリーペーパー「タビンチュ」、女性向けクーポンマガジン「ちゅらプラス」などを発行している。
青森県のB級ご当地グルメ・ネットワークス社は郷土食をブランド化し、地域資源に育て上げたのが選定理由となった。同社は「八戸せんべい汁」を通じて八戸を元気にすることを目的に、市民グループ有志の出資でできた会社。ガイドブックの作成や実食イベントの開催に加え、06年には食による地域おこしを行っている団体と連携してB−1グランプリを初めて企画・プロデュースし、せんべい汁の認知度向上とブランド確立に取り組んでいる。