「ホテル阪急グランレスパイア大阪」が開業 訪日客向け、大人の上質空間を提供


「大人が楽しめる空間」をコンセプトにしたクラブラウンジ

 阪急阪神ホテルズ(大阪市北区、小泉秀俊社長)は3月21日、JR大阪駅直結のグラングリーン大阪南館に「ホテル阪急グランレスパイア大阪」を開業した。グランレスパイアブランドの開業は初めて。同じ建物内の健康増進施設との連携なども行い、大人の旅行者が自然体でくつろげる上質なホテルとして、訪日需要にアピールする考えだ。

 同ホテルは、2019年にヨドバシ梅田タワーに開業した「ホテル阪急レスパイア大阪」の上位ブランドで、レスパイアブランドとしては2店舗目。「静かな癒し(静・REST)と明日への活力(動・INSPIRE)の提供」というコンセプトはそのままに、より大人向けの上質なくつろぎを提供する。

 ホテルのデザインコンセプトは「Natural State」。ロビーなど各所に緑や木のぬくもりを感じさせる丸木の家具などを配したほか、客室もナチュラルカラーで統一した。全482室がダブルもしくはツインで定員は2人。26、27階のクラブフロア宿泊者向けには、「大人が楽しめる空間」をコンセプトにしたクラブラウンジを設けた。

 また、グラングリーン大阪南館に開業した関西最大級の健康増進施設「うめきた温泉 蓮 Wellbeing Park」とはホテル宿泊者専用エレベーターで連絡しており、ホテルからそのまま利用できる点も特長。クラブフロアの宿泊客は1泊につき1回同施設が利用できる。

 JRや私鉄等の駅、高速バスターミナルがある交通面での利便性の一方で、うめきた公園に隣接することで自然から得られる安らぎも魅力となりそうだ。


「大人が楽しめる空間」をコンセプトにしたクラブラウンジ
 

新ブランドとして訪日客誘客を強化

 同ホテルのかじ取りを担う、森崎陽介総支配人(兼ホテル阪急レスパイア大阪・新阪急ホテルアネックス総支配人)=写真。開業に当たっての意気込みや今後の戦略を聞いた。

 ――グループの新たなホテルブランドを任されることへの思いは。

 「長年愛されてきた大阪新阪急ホテルが閉館した後を引き継ぐのがレスパイアブランドといわれてきた。当ホテルグループのフラッグシップであるホテル阪急インターナショナル、第一ホテル東京とは違ったコンセプトを持つ、インバウンド向けの旗艦ホテルブランドとして、サービス面も重視するというのがグループの方針。責任の大きさは感じている」

 ――「居心地の良い大人の上質」をうたっているが、サービスの特徴は。

 「自然体で過ごしていただけるよう、アースカラーの調度や緑を多数置くことで、目から入る落ち着きを演出している。クラブラウンジでは、一般的なバーに匹敵するほどのアルコール類をラインアップした。大阪新阪急ホテルから引き継いだ銘酒などを含めゆっくりと楽しんでいただける。大阪新阪急ホテルから移ってきたベテランスタッフも多く、接遇面でもお客さまに満足していただけるものと考えている」

 ――予約の約6割はインバウンドと聞いた。大手外資系ホテルの会員プログラムを使ってホテルを利用する訪日客も多い中、国内ブランドとしてインバウンド向けの集客戦略は。

 「当ホテルグループも会員組織はあるが海外会員は少ない。当社としては、会員プログラムを利用するような層、ビジネス客よりは、大阪を拠点に動こうという旅慣れた観光目的の訪日客をメインターゲットにしている」

 「当ホテルグループとして国際セールス部署があり、海外エージェントに直接セールスに行ったり阪急阪神ホールディングスグループとして海外の旅行博に出展する際にブースを設けたりしてアピールしている。新阪急ホテルも訪日客比率が高かったので、そこで培ってきたネットワークを最大限に活用し、外資系の会員組織とは異なるマーケットから集客しているのが特徴だ。現在、韓国、中国など東アジア系のお客さまが多く、3~5泊の連泊需要が大きい」

 「グラングリーン大阪には都市型MICE施設もあり、そういったビジネス需要についても当然力を入れていく。グラングリーン大阪には当館のほかにキャノピーbyヒルトン大阪梅田、ウォルドーフ・アストリア大阪が開業し、それぞれ異なるコンセプトで営業する。その中でも当館はビジネス向けに優位性ある料金提案が可能と考えている」

 ――大阪・関西万博期間とその後の需要展望は。

 「大阪中心部は万博の有無にかかわらずインバウンド需要が非常に高い。レスパイアは稼働率が常に90%を超えており、エリアとして客室の供給が追い付いていない状況だった。万博後もこの高需要の流れが減速するとは見ておらず、従来通りのセールスマーケティングを進める方針だ。当館としてはレスパイア同様、先ずは8割程度の稼働を目標にしていく」


森崎総支配人

 
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