全旅連全国大会の式典では第12回「人に優しい地域の宿づくり賞」の表彰式が行われた。最高賞の厚生労働大臣賞は湯田上温泉旅館協同組合(新潟県)の「湯田上温泉SWEETSプロジェクト」、全旅連会長賞は上州力まるごと協議会(群馬県)の「群馬の力をまるごと使った、群馬の温泉地間転泊の仕組みづくり」が受賞。それぞれ賞状と賞金(大臣賞30万円、会長賞20万円)が贈られた(すべての受賞者は6月13日付既報)。
湯田上温泉は、4軒の旅館で地場の果物を使ったオリジナルのスイーツを作成、好評を博している。旅館は地場の素材を有効活用していない、生産者は規格外の果物の破棄が予想以上に多い、との問題があり、解決策として同プロジェクトに取り組んだ。プロジェクトは生産者、JAなど町ぐるみで取り組んだことや、調理人のデザートに関する創作意識の向上につながったことなどが、選考委員会(委員長=橋本俊哉・立教大学観光学部観光学科教授)から高く評価された。
上州は、草津、伊香保、四万、水上の群馬県4温泉の旅館に泊まる転泊プランを作成。広域連携による集客促進の好事例として高い評価を受けた。
このほか、観光経済新聞社社長賞は有馬温泉月光園(兵庫県)の「蒸気ボイラーからの廃熱回収によるエネルギー削減」が受賞。同館の奥田眞社長が観光経済新聞社の江口恒明社長から賞状と賞金10万円を受け取った。
賞は、高齢者や障害者など、すべての人に優しい取り組みを行っている旅館組合、旅館・ホテルを表彰する制度。今回は全国から33件のエントリーがあった。
本社社長賞の月光園の表彰