五輪の年、魅力発信の先導役に
観光経済新聞社は17日、東京の浅草ビューホテルで2019年度「人気温泉旅館ホテル250選認定証授与式」を開いた。250選に入選の旅館・ホテル代表に積田朋子社長が認定証を授与。250選と同時に実施の第33回「にっぽんの温泉100選」の上位と特別賞も表彰した。会場には入選の旅館・ホテル経営者、来賓ら約500人が参集。東京オリンピック(五輪)・パラリンピック開催年を迎え、日本の魅力を世界に発信する先導役にと入選旅館・ホテルに期待する声が続いた。全国旅行業協会会長で衆議院議員、自民党幹事長の二階俊博氏は旅館・ホテルをはじめ観光業界の関係者を激励するビデオメッセージを寄せた。
250選は温泉地の旅館・ホテル、100選は温泉地の人気投票。観光庁と観光関係8団体が後援している。式典は今回で21回目。
毎年7~10月の4カ月間、大手、中堅の旅行会社、オンライン・トラベル・エージェント(OTA)、キャリアに投票はがきを配布し、社員らに投票を募っている。今回は全国から7408枚のはがきが寄せられ、事務局で集計の後、観光関係8団体の代表らで構成する実行委員会で審査。250選と100選を正式決定した。
250選は、旅館・ホテルはさまざまな営業形態があり、軽率に順位付けをするのは適当ではないとの判断から、今回も投票の多かった上位250軒を順位を付けずに公表した。また、250選に通算5回以上選ばれた旅館・ホテルは観光経済新聞社が商標登録している「5つ星の宿」の称号を贈っている。5つ星の宿は今回、238軒に贈られた。
授与式では北海道、東北、関東、中部、関西中国四国、九州の6地区の代表(須賀紀子・登別温泉滝乃家取締役、磯田光治・ホテル松島大観荘社長、武田将次郎・鴨川館社長、萬谷浩幸・瑠璃光・葉渡莉社長、三矢昌洋・夕凪の湯HOTEL花樹海会長、有村政代・清流山水花あゆの里副社長)に積田社長(250選、100選実行委員長)から認定証を授与。5つ星の宿には特製の認定証を授与した。
一方、100選は、投票の多かった上位100温泉地を順位を付けて公表。授与式では上位3温泉地と、実行委員会特別賞に積田社長から表彰状とトロフィーを授与した。
今回の1位は草津温泉(群馬県)で、2003年度から17年連続のトップとなった。2位は2年連続で別府八湯(大分県)。3位は指宿温泉(鹿児島県)で、前年の4位から1ランク上昇した。実行委員会特別賞は、障害者、高齢者ら、誰もが安心して温浴を楽しめるサポート体制を整備した佐賀嬉野バリアフリーツアーセンター(佐賀県)が受賞した。
草津温泉は、草津町の黒岩信忠町長、草津町議会の黒岩卓議長、草津温泉観光協会の市川薫会長、草津温泉湯の華会の小林由美会長が登壇。黒岩町長は「17年連続1位の称号をいただき、この上ない栄誉と感じる。歩いて楽しい街づくりの取り組みが功を奏しているのではないか。草津温泉に完成はない。これからも進化し続ける」。市川会長は「行政を中心にワンチームで、これからも挑戦し続ける」と述べるとともに、「草津は絶対に2位になってはいけない」とあいさつを結び、会場から大きな拍手を浴びた。
2位の別府八湯は、別府市の川上隆副市長が登壇。「課題は観光消費の拡大。自らの資源を見つめ直し、魅力に変える取り組みが必要だ。草津温泉の力強い話を聞いたが、来年は別府が1位を取りたい」と次回のトップ奪取へ意欲を示した。
3位の指宿温泉は、指宿市の川路潔・産業振興部長があいさつ。「昨年から一つ順位が上がり、市長はじめ、観光関係者一同心から喜んでいる。今後も関係者一丸で、指宿の魅力を多くの人の感じてもらえるよう努める」と述べた。
実行委員の多くの推薦で特別賞に選ばれた佐賀嬉野バリアフリーツアーセンターは、同センター会長で全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)元会長の小原健史氏が登壇し、あいさつ。受賞の謝意とともに、老健施設(介護老人保健施設)のヘルパーの協力による入浴介助、民間救急車と連携した重篤患者の受け入れ、車椅子テニス大会とボッチャ大会の開催など、同センターが取り組んでいる事業を紹介した。
100選の選定経過は実行委員を代表して日本観光振興協会の久保田穣副理事長が報告。「(旅行の)プロが責任をもって薦められる温泉地で、お客さまの声も十分反映されているランキングだ。特別賞はさまざまな候補が挙がったが、SDGsの考え方も踏まえて選定した」と今回の選定の背景を述べた。
冒頭あいさつした観光経済新聞社の積田社長は「全国の旅館は4万軒弱、ホテルは約1万軒といわれるが、今回選ばれた宿は最も人気のある、優れた旅館・ホテルといえる。今年は東京オリンピック・パラリンピック開催の年。わが国と地域の魅力を発信する絶好の機会だ。伝統文化を見直し、経営理念を明確に、いつの時代も利益を上げられる体質づくりへ、今後も精進を続けられるよう祈念する」と入選旅館・ホテル関係者を激励した。
約500人が参加した今年度の認定証授与式
人気温泉旅館ホテル250選認定証授与式の主な来賓出席者
観光庁次長・髙橋一郎▽同観光産業課参事官・小熊弘明▽同観光産業課専門官・伊藤加奈子▽環境省自然環境局自然環境整備課温泉地保護利用推進室長・山本麻衣
国連世界観光機関駐日事務所代表・本保芳明▽地域伝統芸能活用センター会長・中村徹▽日本政府観光局統括役・遠藤克己▽同地域連携部長・渡辺厚▽日本観光振興協会副理事長・久保田穣▽日本旅館協会副会長・渡邉和裕▽同専務理事・佐藤英之▽全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長・多田計介▽同専務理事・清澤正人▽日本温泉協会名誉会長・瀧多賀男▽同専務理事・関豊▽日本旅行業協会国内・訪日旅行推進部長・高井晴彦▽全国旅行業協会副会長・近藤幸二▽同副会長・永野末光▽同専務理事・有野一馬▽同事務局長・若井茂▽公益財団法人日本交通公社観光地域研究部上席主任研究員・岩崎比奈子▽全日本シティホテル連盟会長・清水嗣能▽同相談役・中山智雄▽日本ホテル協会専務理事・福内直之▽国際観光施設協会会長・鈴木裕▽同事務局長・姫井誠▽国際観光日本レストラン協会会長・安田眞一▽同副会長・平塚武▽日本添乗サービス協会会長・三橋滋子▽日本宿泊産業マネジメント技能協会理事長・作古貞義▽国際観光文化交流協会会長・藤野公孝▽宿泊施設関連協会会長・林悦男▽ジャパニーズ・イン・グループ会長・福田金也▽宿泊施設活性化機構事務局長・伊藤泰斗
台湾観光協会東京事務所所長・鄭憶萍
立教大学名誉教授・前田勇▽立教大学観光研究所特任研究員・玉井和博▽立教大学法学部特任教授・藥師丸正二郎▽日本ホテル教育センター理事長・石塚勉▽オフィスアト・ランダム代表・松坂健
草津町長・黒岩信忠▽草津町議会議長・黒岩卓▽草津町観光課長・富澤勝一▽草津温泉観光協会会長・市川薫▽草津温泉湯の華会会長・小林由美▽別府市副市長・川上隆▽同観光戦略部観光課長・日置伸夫▽同東京事務所長・小野大介▽指宿市産業振興部長・川路潔▽佐賀嬉野バリアフリーツアーセンター会長・小原健史
JTB広報室長・神谷樹▽JTBガイアレック社長・堀江伸也▽JTBパブリッシング社長・今井敏行▽JTB旅連事業営業部長・老川裕之▽JTB商事企画課長・佐久間善典▽JTB旅行スタンプ加盟店連盟会長・河合徹▽日本秘湯を守る会代表理事名誉会長・佐藤好億▽KNT―CTホールディングス国内旅行部部長・田中亮▽同総務広報部秘書部長広報部長・立花泰明▽KNT―CTパートナーズ会専務理事・吉田卓二▽▽日本旅行営業企画本部個人旅行営業統括本部赤い風船事業部長・尾中雄人▽同営業企画本部企画・開発部国内仕入・誘客推進チーム担当部長・會田敏彦▽同秘書広報部広報担当部長・桑名美保▽日本旅行協定旅館ホテル連盟専務理事・清水芳裕▽東武トップツアーズ協定旅館ホテル連盟事務局長・平澤篤志▽東武トップツアーズ協定運輸観光施設連盟事務局長・加藤政明▽びゅうトラベルサービス取締役営業企画本部長・向久保文一▽同営業企画本部営業戦略部部長・西剛▽JR四国常務取締役・加藤隆司▽JRグループ協定旅館ホテル連盟専務理事・佐藤栄司▽JR指定休憩店連盟事務局長・照井昇一▽ジャルパック執行役員顧客サービス本部長・石濱文子▽同総務部広報・社会貢献グループ統括マネジャー・長尾哲▽ANAセールス取締役旅行事業本部長・浅田康夫▽同経営企画部広報室チーフ・内野絵梨香▽阪急交通社CSR推進本部広報部長・沢田竜彦▽農協観光旅行事業部部長・高橋邦彦▽農協観光協定旅館ホテル連盟会長理事・伊藤善男▽読売旅行執行役員国内旅行事業本部長・大宮弘道▽同国内旅行事業本部副本部長兼関東国内旅行部部長・衛藤精市▽T―LIFEホールディングス企画仕入本部本部長・長崎敬▽京王観光旅行事業部部長・谷川透▽ミキ・トラベル代表取締役社長・今野淳子▽リクルートライフスタイル営業統括本部旅行営業統括部営業2部部長・朝野展昌▽エクスペディアホールディングス日本・ミクロネシア地区仕入事業本部統括本部長・前川洋輔▽シートリップグループホテル事業部チェーンホテル・マネージャー・千葉勇樹▽トリップアドバイザーホテル事業部長・上田和子▽アシアナスタッフサービス顧問・玄東實▽全旅経営企画本部長・渡部英▽九州観光旅館連絡会代表理事・松瀬裕二▽東海予約センター事務局長・大長正明▽全国旅館会館企画部長・渡辺英俊
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AAPグループ代表・土屋康一▽リョケン会長・木村臣男▽飯島経営グループ代表・飯島賢二▽アルファコンサルティング代表取締役・青木康弘
東京霞ケ関ライオンズクラブから10人