観光庁、ＪＡＴＡ、海外の政府観光局の関係者が一堂に
観光庁と日本旅行業協会（ＪＡＴＡ）は10日、新型コロナウイルスの感染症法上の分類の引き下げや水際対策の終了を踏まえ、日本人に海外旅行を呼び掛ける「今こそ海外宣言」を共同で発表した。根強いコロナへの不安などから海外旅行への意欲が回復していないとして、官民を挙げて機運醸成に取り組む。ＪＡＴＡでは、海外旅行参加者のパスポート取得費用をサポートするキャンペーンも開始する。
日本人の海外旅行者数は２０２３年３月が69万４千人、コロナ前の19年同月比で36・０％にとどまる。訪日外国人旅行者数が65・８％まで回復しているのに比べ、低調な状態が続いている。欧米、韓国などと比較しても日本におけるアウトバウンドの回復の遅れは顕著な状況だ。
政府がアウトバウンドを呼び掛けるのは異例だが、インバウンドを推進する上で航空路線を維持、拡充したいなどの政策的な理由がある。
観光庁の和田浩一長官は、同日、国土交通省で開かれた記者発表会で、「海外旅行は、日本人の国際感覚の向上、安定的な国際関係の構築に資する。観光にとどまらず、人的交流の裾野が広がり、新時代のインバウンドの拡大、これによる経済の活性化にもつながる。国民の皆さまには国内旅行とともに、海外旅行にお出掛けいただきたい」と呼び掛けた。
記者発表会には、ＪＡＴＡの髙橋広行会長、20カ国・地域を超える海外の政府観光局の代表などが集まり、海外旅行の需要回復に期待を寄せた。
ＪＡＴＡが実施するパスポート取得費用サポートキャンペーンでは、パスポートを新規取得または更新して今年夏に海外旅行に出掛ける人に８千円分の電子ギフトを抽選で３２１０人にプレゼントする。応募期間は５月15日～９月30日。近く専用ウェブサイトを開設する。
観光庁、ＪＡＴＡ、海外の政府観光局の関係者が一堂に
