農林水産省は9日、各地で優れた地産地消の実現に取り組んでいる48人を「地産地消の仕事人」に選定したと発表した。地場農産物の生産や直接販売などに取り組む農業関係者のほか、旅館・ホテルの地産地消メニュー開発などに携わる料理人や民宿経営者らも選ばれている。
「地産地消の仕事人」選定委員会(座長・永本正和筑波大大学院教授)が、全国から応募のあった57人の中から選んだ。同省は仕事人の仕事ぶりをホームページで順次紹介するとともに、地産地消に取り組む地域の活動などについて助言を求め、研修にも協力してもらう方針だ。
仕事人の1人、ヴィラ・イナワシロの料理人で全日本司厨士協会福島県本部会長を務める山際博美氏は、県内宿泊施設の地産地消に対する意識向上に貢献していることが選定の理由になった。同氏はまた、「あいづのこだわり食材普及推進協議会会長」として、DVD「あいづのこだわり食材100選」の作成にもかかわっている。
民宿と食堂の経営を通して佐渡の農産物を使った料理を提供しているのが御宿「花の木」経営の渡辺明子さん。島内に自生しているヤブツバキの油に注目し、絞り出した生油を商品化。民宿で提供する料理に使用するだけでなく、小売り販売に向けた改良を進めていることも評価された。