大阪府と大阪市は、大阪観光局、大阪商工会議所と共催で「IR&インバウンドビジネスセミナー」を3月23日、大阪産業創造館(大阪市中央区)で開いた。「大阪がめざすIRについて」と題し大阪府・大阪市IR推進局の那須雅之・推進課長が説明。府・市は、昨年12月に国の基本方針が確定したことを受け、今年2月に実施方針案の修正案を公表している。
那須課長は、3月19日に修正した実施方針案を確定し、併せて事業者の募集要項の修正も行い、新たなスタートを切った現状に触れ、MICEの展示場施設の段階的整備が可能になるなど修正点はあるが、目指す大阪IRの姿に変わりはないと話した。
大阪観光局の中村哲也・経営企画室経営企画担当部長は「大阪観光局での観光推進の現状と今後のインバウンド展開について」と題し、同局が実施しているLGBTQツーリズムや留学生支援、MICE推進活動などの取り組みや今後のインバウンド事業の展開について講演した。
高橋一夫・近畿大学経営学部教授は「Withコロナ・Afterコロナのビジネスチャンス」と題し、インバウンドビジネスの在り方やビジネスチャンスについて講演。高橋教授は自然災害からの観光復興の事例として東日本大震災後の下呂温泉(岐阜県)を紹介。復興におけるマーケティングの重要性を話した。また、コロナウイルスに伴う消費の抑制や給付金で家計の現預金が平時より増加しており、それらがいずれ観光消費に回る可能性について言及した。
セミナーの様子(登壇者は那須氏)