「形変えて文化残す」 時間湯問題で草津町長


有料化「7月いっぱいでやめる」

 群馬県草津町の行政・観光関係者らが5日、東京・池之端の観光経済新聞社を訪れ、積田朋子社長と懇談した=写真。

 一行は黒岩信忠町長、黒岩卓町議会議長、草津温泉観光協会の市川薫会長、草津温泉旅館協同組合の黒岩裕喜男理事長、湯の華会の小林由美会長、県観光物産国際協会の市川捷次理事長ら11人。

 黒岩町長はマスコミをにぎわせている「時間湯」問題について、(1)入浴温度の見直し(2)湯長制度の廃止(3)有料から無料へ―などに踏み切る考えを示した。ただ、「時間湯をやめるのではない。形を変えて文化として残すということだ」と述べた。

 また、「(議会の承認を得る必要があるが)有料化は7月いっぱいでやめたい」とした。

 時間湯は草津独特の入浴法で、100年以上の伝統を持つ。48度ほどの高温に3分間、1日3~4回入ることを指す。共同浴場の「千代の湯」と「地蔵の湯」の2カ所で行われている。さまざまな症状に効果があるとされるが、現在はアトピー性皮膚炎をはじめとする慢性皮膚疾患の利用者が多いとされる。

 この時間湯での湯治を指導するのが湯長だが、町長は、湯長が湯治客に体調を聞く行為が「医療行為の問診に当たる恐れもある」として、湯長制度の廃止を求めている。

 一方で、「湯長制度あっての時間湯」という意見もあり、長年の伝統が形を変えることに戸惑いの声も上がっている。

 出席者からは来年春の群馬デスティネーションキャンペーン(DC)への期待や、湯の華会がプロデュースした源泉水使用の「華ゆらインバス商品」の販売など新たな試みを紹介した。

 草津温泉は弊社主催の「にっぽんの温泉100選」で16年連続1位となっている。積田社長は第33回の投票が始まったことを説明した。

 
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