温泉地の新しい過ごし方「新・湯治」構想を打ち出している環境省は3月28日開いた会合で、実現に向けたロードマップを明らかにした。計画期間は2018年度からおおむね5年とし、温泉地を中心とした自治体、団体、企業よる「チーム新・湯治」の結成とネットワーク化、温泉地で過ごすことのリフレッシュ効果を把握する全国調査の実施―などに取り組む。
この会合は環境相の諮問機関、中央環境審議会の自然環境部会温泉小委員会(委員長・下村彰男東大大学院教授)。委員には多田計介・全旅連会長、佐藤好億・日本温泉協会常務副会長、桑野和泉・由布院玉の湯社長らが名を連ねている。
新・湯治の趣旨に賛同し、温泉地の活性化に取り組む自治体、団体、企業をチーム新・湯治として結成を幅広く呼び掛けネットワーク化する。チーム員を対象とした同省主催のセミナー開催や同省ホームページ、メーリングリスト、全国温泉地サミットなどの参加を通じた情報・意見交換を行う。22年度までにチーム員を200以上にする計画だ。
参加費無料。同省の申し込み用紙に必要事項を記入し、温泉地保護利用推進室にメールで提出する(問い合わせはTEL03・3581・3351)。5月25日に大分県別府市で開かれる全国温泉地サミットでキックオフセレモニーを行う予定。
全国調査は温泉の療養効果を科学的に把握し、温泉地のPRなどに活用する目的で実施。宿泊客が自身の体調に合わせて温泉地を選ぶ参考ともなりそうだ。
同省が策定する統一フォーマットを活用し、温泉地の協力を得て宿泊客などに記入してもらう。20年度までの3年間で延べ50温泉地、1万人のデータ収集を目指す。
温泉熱を有効活用するため、ガイドラインの策定にも着手する。エネルギー特会による補助事業の対象とし、モデル事業の実施も視野に入れる。
このほか、国民保養温泉地の活用方法の検討、国立公園満喫プロジェクトと連携したインバウンド誘致にも取り組む。