日本政府観光局(JNTO)パリ事務所は、環境、文化、地域などを持続可能とするサステナブル・ツーリズムに関する意識調査をフランスで実施した。訪日観光に関心を持っている層のみを対象にした調査だが、旅行においてサステナブルな取り組みを実践したい意向は9割を超えた。日本に対しては、プラスチックの過剰消費などの印象を持っている人もいることが分かった。
JNTOパリ事務所のフェイスブック、インスタグラムの閲覧者、ニュースレターの登録者にオンラインでアンケート調査。実施時期は今年3~4月。回答者数は973人だった。
「普段旅行をする際にサステナブルな取り組みを実践しているか」では、「すでに実践」が29%、「実践したい」が64%に上った。具体的な実践については、「地域の食材を選ぶ」90%▽「公共交通機関を使う」84%▽「宿泊施設で同じタオルを数日使う」70%―などが上位だった。
具体的なサステナブルの取り組みでは、上位以外にも、「地方部に滞在する」39%▽「宿泊施設が環境に配慮しているか調べる」14%▽「カーボンオフセット料金を支払う」6%―なども一定の割合に上った。
訪日経験者(回答786人)に記述式で聞いた日本のサステナビリティへの印象では、「自然への敬意・豊かな自然」を挙げる人が一定数いる半面、「過剰にプラスチックを消費」「商品が過剰に包装されている」を挙げた人も多かった。
JNTOでは、コロナ禍を経てフランスでは、サステナブル・ツーリズムへの関心が高まっていると指摘する。欧州、豪州では関心が高く、米国、カナダ、メキシコ、シンガポール、韓国、台湾でも関心の高まりが確認できると指摘している。