日本旅行業協会(JATA)は3月29日、東京都内で会員対象のインバウンドセミナーを開いた。「期待の巨大市場 インドからの訪日旅行」をテーマに、旅館・ホテル運営会社ホテルマネージメントインターナショナル(HMI)社長で、インド出身の比良竜虎氏、前観光庁長官で現在は三井住友銀行顧問を務める田村明比古氏、エアインディアに39年勤務して昨年退職した木下洋子氏が講演した。
インドは中国に匹敵する13億人の人口を抱える大国。ただ、訪日旅行者数は昨年が15万人で、全体の0.5%にとどまる。
田村氏は、現在のGDPが約2.2兆ドルで世界6位、2030年は世界3位になると予測されるなど、経済成長が著しいインドの現状を解説。
日本への旅行者の誘致には、査証(ビザ)発給要件の緩和、航空路線の拡充、ベジタリアン対応、買い物の魅力訴求が必要とした。
比良氏もインドからの訪日を促進するために必要な要素として、「ビザの緩和・撤廃」「航空路線の拡大」を挙げるとともに、即効性のあるマーケットとして「大都市の富裕層」「婚礼市場」「日系企業」「教育分野」を挙げた。
比良氏は過去に係争事案がなく、毎年首脳同士が交流する両国の良好な関係を強調し、日本からインドへの旅行も含めた双方向のさらなる交流促進を呼び掛けた。
講演する比良氏