「歴代役員、家族に感謝」 全旅連元専務理事 清澤正人氏に聞く


全旅連元専務理事 清澤正人氏

藍綬褒章を受章

 今年の春の叙勲・褒章で、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)元専務理事の清澤正人さん(68)が藍綬褒章を受章した。現在の心境、後進へのメッセージを伺った。

 ――今の率直な気持ちを。

 最初に申し上げたいのは歴代の役員の皆さまのご理解、そして亀岡(勇紀・全旅連)専務には大変なご尽力をたまわりました。事務局員で褒章の栄に浴した方は今までいませんでしたから。そのような壁を乗り越えてこのような栄誉をたまわったことに改めて感謝を申し上げたいと思います。ただ、あくまでも全旅連の事務局を代表して頂いたと、そう認識しています。

 そして何よりも家族。家庭を振り返る時間が少なく、家内や娘たちには感謝をするとともに申し訳なかったと思っています。

 ――今までで印象に残った出来事は。

 事務局に就職したのが昭和54年の11月19日。初出勤の日、青年部の資料作りの手伝いでいきなり夜の11時まで残業をしたことです。初日でもあり、5時には帰れると思ったのですが(笑い)。

 青年部をしばらく担当しましたが、当時の会長が参議院議員の山本富雄先生で、当時の専務理事から「君、行ってみないか」と、山本先生の事務所に秘書として出向を命じられました。

 山本先生が亡くなってから全旅連に戻ったのですが、その頃は特別地方消費税の撤廃運動が盛り上がっており、その情報収集を対策本部長だった小原(健史)さんたちの薫陶を受けながらやってきました。

 その後、公営宿泊施設の民業圧迫の問題や、固定資産税の軽減、東日本大震災の被災者受け入れなど、さまざまな問題への対応に、駒となって働いてきました。

 歴代の役員、都道府県組合の理事長は皆さん団結力があり、意思がぶれない。それがいくつもの山を乗り越えられた理由ではないかと思います。

 ――昨年の総会で相談役に就任。全旅連の仕事はもうやり切ったと。

 やり切っていないことは多々ありますが、ここが引き際と思いましたし、もっと若い人に頑張っていただかないと、という思いがありました。

 ――今は何をされていますか。

 住まいがある東京都多摩市の教育委員会から児童安全推進事業の仕事を請け負っています。登下校時、横断歩道で旗を持ち、児童を見守っています。老人会の仕事もしており、商店街の活性化の一環で屋台を出したりもしています。

 ――趣味は。

 ウォーキングと釣りです。全旅連の事務局から自宅までたまに歩くのですが、約5万歩、7時間かかります。釣りは江の島によく行きます。今はヒイラギやクロダイ、チヌが釣れます。釣りは何も考えず、無の境地になれるのがいいですね。

 ――後輩の事務局の皆さんへのアドバイスがあれば。

 人生上り坂の時があれば、下り坂の時もあります。下り坂の時はしっかりと耐えて、上り坂の時は有頂天にならないこと。そして素晴らしい旅館業の皆さまと関わりを持てるこの仕事に長く関わってもらいたいですね。

全旅連元専務理事 清澤正人氏

登下校時の児童の見守りを行う

 
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