全日本ホテル連盟(ANHA、清水嗣能会長=福井県・ホテルリバージュアケボノ)は2月25日、「全日本ホテル連盟会員としての行動規範(コンプライアンス・コード)の再確認と構築」と題した会員施設対象のセミナーを実施した。Go Toトラベル事業再開を見据えながら、同連盟のコンプライアンス意識の徹底と維持を図った。
昨秋に発覚したGo Toトラベル事業に関わる不正受給を受け、1月25日に全日本ホテル連盟のほか日本ホテル協会、日本旅館協会、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の宿泊4団体が共同でコンプライアンスへの取り組みを行うと発表。今回のセミナーはANHAが会員施設を対象に、同事業に係る不正行為の防止、モデル規範の構築を主目的としてオンライン形式で実施した。
規範意識を高め 営業者が報われる社会へ
清水会長はGo To事業について「コロナ禍で困窮したわれわれを救援してもらうため、業界側から国にお願いして始まったもの。急ごしらえ的な開始による制度設計上の不具合を突いた不正行為が、旅行業者に限らず一般消費者でも発生している」と回顧し、同事業で会社名での領収書発行が原則禁止となった背景にも同様の事態があったと指摘。「国が業界のために開始してくれたGo To事業を悪用する一部の存在により、業界全体のイメージが悪化し、それが世論にも飛び火し同事業再開のブレーキとなっている。本日のセミナーを通して、宿泊業界の規範意識を高め、正しく営業する者が正しく報われる社会をみんなで実現していきたい」と決意を述べた。
経営陣と従業員 両面から体制構築を
講師の麗澤大学国際学部梅田徹教授は、国際法、企業倫理などの観点から今回の不正受給問題について、「発生の経緯と詳細」「今後に向け何をすべきなのか」の二つに大別して解説した。
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