ITBアジア開催2日目の10月20日、トリップドットコム国際市場マネージングディレクター兼副社長のブーン・シアン・チャイ氏が登壇し、「旅行新時代のグローバル市場をつかむ」(Seizing Global Oppotunities in the New Era of Travel)」と題して講演した。
チャイ氏は、現在の観光業界の市場環境について、「各国の旅行制限が解除され、旅行新時代がこれから始まる」と指摘。香港で9月26日、カナダで9月30日、日本で10月11日入国規制が緩和されたことを挙げ、「ほとんどの国と地域が開国した」と話した。
22年7月時点での国際観光客の到着数は、19年比28%減まで回復。地域別の内訳については、アジア太平洋が75%減、南北アメリカが24%減、アフリカが20%減、欧州が16%減、中東が3%増と示した。その上で「消費者の旅行意欲(sentiment Score)は高まっており、アジア太平洋地域に住む人々の旅行意欲が今、世界で最も高まっている。当社分析によるスコアで言うと、アジア太平洋が27、アフリカが15、欧州が12、中東が10、南北アメリカが5だ」と解説した。
チャイ氏は、さらに「宿泊施設での国内宿泊数はすでに19年の水準を回復した。海外宿泊数は25年までにパンデミック前のレベルに戻るだろう」と概観。「国際宿泊では、特に南北アメリカと欧州が急速に回復するだろう」と予測した。
旅行者とホテルの変化についても言及。「パンデミックから3年以上が経過し、人々はニューノーマル下での生活、仕事、旅行に徐々に適応してきた。旅行者は都市以外の目的地を好むようになり、滞在期間が長くなった。宿泊施設では、オンラインサービスや情報共有など、パンデミックの中でDX(デジタルトランスフォーメーション)が進行した」と述べた。
ポストパンデミック(アフターコロナ)におけるトレンドについては「Y世代とZ世代が観光産業界をけん引する」と指摘した。
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