現場は混乱 と苦言
全国知事会は12月20日開いた新型コロナウイルス緊急対策本部(本部長・飯泉嘉門徳島県知事)で、コロナ対策に関する緊急提言をまとめた。28日から1月11日まで全国で一斉停止する政府の観光支援事業「Go Toトラベル」については、停止・再開の運用方針を明示するよう求めた。
テレビ会議で開催し、40道府県の知事が参加した。Go Toの一斉停止に対しては「突然の方針転換は現場に相当な混乱を生じさせる」など苦言が相次いだ。
提言は、一斉停止について「感染拡大を封じ込めるという予防的な措置として総理が決断されたものであり、われわれとしても協力していきたい」と理解を示しながらも、「今後はできるだけ早期に方針を示すとともに、事業の停止・再開について、感染状況のステージ判断との関連も含めて、運用方針を明らかにする」とした。
1月12日以降の取り扱いでは、早期に対応方針を示し、感染が落ち着いている地域から順次再開するなど、柔軟な対応を求めた。
一斉停止は「宿泊施設、観光事業者だけでなく幅広い産業に影響が及ぶ」と指摘。政府によるキャンセル料の支援が交通事業者や土産物店にも及ぶよう、旅行業者などへの指導の徹底に加え、事業者への救済措置の内容を早く公表するよう要請。
また、Go Toトラベル事業の今後については、期間の延長やビジネス旅行、ワーケーションへの適用検討など振興策を検討し、地域独自の観光支援措置についても「新型コロナウイルス感染症地方創生臨時交付金などで支援すること」と強調した。
このほか、雇用情勢が厳しさを増していることから、雇用調整助成金については、収束が見込まれるまでの間、特例措置を延長するとともに、基金を活用した「緊急雇用創出事業」を早期に創設するよう提言した。
知事会は緊急提言とは別に、国民向けに年末年始の過ごし方に関するメッセージも公表した。帰省、旅行はその必要性を家族で相談し、慎重に行動するよう呼び掛けた。