日本コンベンション協会(JCMA、近浪弘武代表理事)は3日、新型コロナウイルスの流行を踏まえ、MICEの再興を目指す緊急提言「JAPAN MICE is BACK」を観光庁の田端浩長官に提出した。開催基準や感染防止対策などを盛り込んだ「MICE開催ガイドライン」の策定、MICEの会場借り上げ費や出展費などを補助する「Go To MICEキャンペーン」の実施などを求めた。
ポスト・コロナのMICE再興策について国に次の5点を要望した。(1)MICE開催ガイドラインの策定などへの関与(2)緊急支援対策「Go To MICEキャンペーン」の実施(3)MICE主催者に対する開催意欲喚起策の実施(4)V字回復を期した戦略の推進(5)東京オリンピック・パラリンピック延期に伴う補償。
ガイドラインに関しては、MICEの大規模イベントが政府の基本的対処方針で移行期間後の8月1日以降も制限対象になり得ることから、国が積極的、主体的に策定に関与するよう求めた。事業者がガイドラインを順守するために必要な会場拡張の経費、検温や消毒に要する機器の費用などへの助成も要望した。
「Go To MICEキャンペーン」では、企業のMICEに関わる経費である参加登録費、出展・協賛費、企業イベントの会場借り上げ費への2分の1の補助を要請。MICE参加者が宿泊、飲食、交通などに使える地域振興券の配布なども求めた。
JCMAは緊急提言の中で、「MICE業界各社は、経営に甚大な影響を受けており、一刻も早い対策が望まれると同時に、緊急事態宣言解除の後も、どれだけ従来のビジネスができるのか、また、将来的にどれだけ日本でこのビジネスを伸ばせるのか、重大な岐路に立っている」として政府に施策の具体化を要望している。
近浪代表理事(右)と武内紀子副代表理事(左)が田端長官(中央)に緊急提言を手渡した