本格庭園の和風宿
第607回よその旅館ホテル
──趣ある和風の宿ですね。
「京都の庭師が作った本格的な日本庭園『翠天天上の庭』があり、その周囲を囲むように宿の建物があります。渡り廊下や別館の客室からは、この庭の景観を楽しめます。周囲にも宿にも何もないので、逆にその何もない静かな雰囲気、和の空間をゆったりと楽しんでいただけます。いろりを置いた部屋もあり、特に人気です」
──昼神といえば、豊富な温泉ですね。
「トロリ感あるアルカリ性単純硫黄泉です。風呂は大浴場、露天風呂のほか、貸し切り家族風呂が3つ、5つの客室露天風呂があります。客室露天風呂は、岩風呂や陶器風呂など趣を変えています」
──客層は。
「中京圏が約6割、関西、首都圏が1割ずつで残りは他地域からです。名古屋からは、当館と姉妹館の『伊那華』を回るバスを自社で運行しています。予約は、電話予約などの直予約が5割超です」
──直予約の比率が高いですね。
「特別なことはしていません。来たお客さまに喜んでいただくだけです。団体旅行など最初の来館のきっかけはどうあれ、まず満足してもらい、次は個人的に来ていただけるよう心がけています。冬の時期には北海道から、現地でも食べられないようなおいしいカニを買い付けて提供しています。手ごろさ、満足度の高さなどから好評で、冬の稼働率が一番高くなっています」
──経営上の課題は。
「このままの『静かな宿』でいいのかどうか、悩んでいます。静けさを好む昔ながらのシニアのお客さまも大切ですが、最近のシニア世代は非常にアクティブなので、このままではダメだとは感じています。何とかしたいですね」
【28室、1万800円から】