地元野菜を直接買い付け
第694回よその旅館ホテル
──伝統がある旅館ですね。
「江戸時代から続いています。380年前の地図に旅館が記載されています。(若旦那の)私で10代目になります」
──宿の自慢は。
「温泉も楽しめますが、料理には力を入れています。庄内地方は海、山、川すべてそろっているので野菜がおいしい。農家さんも有機農法などで努力して、さらにおいしい作物を作っています。宿で出す多くの野菜は、私が直接農家さんから買い付け、地元の味付けにこだわった料理をお出ししています」
──地産地消を重視しているのですね。
「はい。将来的には農家さんに作ってほしい作物をリクエストして、多種多様な料理をお出しできればと思っています。それには、地元旅館同士で協力して取り組みたいと希望しています」
──地酒にもこだわっているようですが。
「一般的な旅館ではさまざまな種類のお酒を一度に楽しむことは難しいと思いますが、うちは常時、庄内地方の地酒を25種類用意しています。少量ずつ多種類飲みたいと希望されるお客様向けに、3、5、10種類楽しめるプランを用意しています」
──インターネットをうまく利用していますね。
「ホームページ(HP)は比較的早く立ち上げました。私と若女将は、身近で起きたさまざまな情報をブログで発信しています。ネットがない時代はほとんど地元のお客様だったようですが、ネットの普及で宿泊客は県外の方が多くなりました。自館のHPから予約いただいたお客様には、ネットエージェントを通すよりも料金を下げています」
【10室。1泊2食付き平日1万25円プランが中心】