地産フレンチと天文台
第776回よその旅館ホテル
──宿の売りは。
「料理と天文台の二つです。『オーベルジュ』ということで料理を楽しみに来られる方の期待に沿えるよう、地ものの野菜や日本海の新鮮な魚、但馬牛などの食材を使い、フランス仕込みの本格フレンチをお出ししています。今の時期は、自家農園で採れたトマトや万願寺とうがらしなどを使ったメニューも味わっていただけます」
「当館は神鍋高原スキー場の目の前にあるので冬の時期はスキー客が中心なのですが、そういったお客さまの多くに『スキー目当てで料理には期待していなかったのだがうれしい誤算だった』と喜んでいただいています」
──天文台は。
「1985年に父が創業した時に設けたものです。60センチの反射望遠鏡があり、天気の良い時は惑星などの観測を体験できます。標高も高く周囲も暗いので、望遠鏡を使わなくとも天の川を楽しめるんですよ」
──客層は。
「季節により変わります。春、秋はカップルやシニアのご夫婦、冬はスキー客がメーンです。これからの季節はファミリーが中心となるので、お子さんの夏休みの自由研究などに悩むお父さんお母さんのお手伝いになればと、望遠鏡作りや万華鏡作りなども行っています。最近は親子の触れ合いが少ないと言われているので、一緒に考えながら作る、場と時間を提供できればと考えています」
──経営の課題は。
「消費税増税と、それに伴い価格とクオリティのミスマッチ感が出てくることです。増税で見かけの価格が上がると、同じ宿泊プランでもお客さまの求めるクオリティは高くなります。アメニティなどをグレードアップすべきか悩んでいます」
【15室、1泊2食1万1900円から】