地元食材を丁寧に料理
第655回よその旅館ホテル
──宿の売りは何でしょうか。
「1品1品丁寧に作った料理です。地元で取れた新鮮な季節の食材を使った和洋取り交ぜた料理、いわゆる『旅館の料理』とは違うオリジナリティある料理を提供しています。魚ですと囲炉裏で焼いて出すだけでなく、ニジマスならばムニエル、イワナならば唐揚げなどでお出しします。冬は雪の中で保存した『雪中キャベツ』のポトフやトマトソース煮込みなどもお作りします。春の山菜、秋のキノコなどもおいしいですよ。いずれも天然のものを楽しんでいただいています。お客さまのリクエストに合わせてコースをお作りすることもできますよ」
──温泉の特徴は。
「弱アルカリ性単純泉のお湯で、とても温まる『美人の湯』です。宿の規模の割には大きな風呂なので、のびのびと入れるのが自慢です。湯野上の湯をたっぷりとかけ流しにしているので、24時間いつでも温泉を楽しんでいただけます」
──客層は。
「中高年の方と家族連れの方がメーンになります。観光の方は温泉が目的の方や大内宿などを目当てに来る方が中心です。最近は写真撮影のために来る方も増えました。口コミ客とリピーターの方だけで8割近いですね」
──湯野上は風評被害が大きいですね。
「影響がどこまで続くのかというのが1番の問題です。放射線量は全く問題がないにもかかわらず『福島県』でひとくくりにされており、この秋も新規のお客さまがほとんど見えませんでした。冬には『大内宿雪祭り』『なかやま雪月花』など、冬の下郷ならではのイベントがあります。PRなど地道な努力を重ねることで下郷の安全と魅力を知ってもらいたいです」
【8室、1泊2食1万円から】