自然と食材に魅力
第751回よその旅館ホテル
──目の前が野付湾ですね。
「日本最大の砂嘴(さし)、野付半島が伸び、他にない景観が広がります。夏には花が美しく、原生花園もあります。センダイハギ、ハマナスなどが一面に咲き誇ります。観光船のクルーズも人気です。野鳥が多く集まることでも有名。冬の景色もきれいです」
──屋号の「うたせ」は、野付湾の伝統的な漁法に使われる打瀬舟が由来ですか。
「そうです。帆をはった昔ながらの打瀬舟の北海シマエビの漁は夏、秋に行われます。おどり食いやゆでてお出しする北海シマエビは人気の食材です」
──他に魅力的な食材は。
「冬は天然の特大ホタテやコマイ(魚)がおいしいですね。最近ではご当地グルメとして『別海ジャンボホタテバーガー』などを売り出しています。当地、別海町は酪農が盛んな町ですので、宿の料理にも魚介に加えてチーズなどをお出ししています。海の幸、山の幸を堪能できます」
──宿の客層は。
「道外は首都圏、道内は札幌が中心です。家族客などのほか、野付の自然を撮影しようというカメラ愛好家、バードウォッチングの愛好家が多いです。英国や中国、台湾などのお客さまもお泊まりになります。宿泊のほか、観光バスの団体が昼食をご利用になります」
──客室、温泉は。
「和室、洋室、和洋室で19室です。湯は敷地内の源泉から湧く天然温泉です。男女それぞれの浴場があり、ゆっくり入浴できます」
──経営の課題は。
「地域の認知度を上げることです。地元では、自然などの観光資源に加え、食材の豊富さに着目して、『食観光日本一』を目指し、観光の活性化に取り組んでいます」
【1泊2食付1万円(税別)から】