「割子」に山陰の句
第1069回よその旅館ホテル
――宿の立地は。
「水の都、松江の中心部にあり、宍道湖と中海を結ぶ大橋川に面した落ち着いた雰囲気の立地です。隠岐の島出身の初代が明治39年に開業しました。開業当初の場所から、昭和11年に隠岐汽船の元船着き場前の現在地に移転しました」
――どのようなお客さまが多いのですか。
「松江駅にも近いことからビジネスのお客さまにもご利用いただいていますが、客室、風呂、料理などを魅力的にし、居心地の良さを重視した宿づくりを進めたところ、近年では観光のお客さまがメーンになっています」
――客室、風呂は。
「和風、和モダンの客室で現在は24室です。温泉大浴場は4階で展望が良く、男女共に露天風呂もあります。5年前の一部改装に続き、近く一部客室をリニューアルする予定です。3室を1室にして広い部屋に改装するなど、コロナ後の観光を見据えた対応を考えています」
――料理は。
「夕食の会席料理は5年ほど前から、郷土料理の出雲そばの器『割子(わりご)』を使って、見た目も楽しめるよう工夫しました。重ねた割子の一段一段に山陰の食材を生かした料理を盛り付けています。食材では、冬のカニをはじめ旬の魚介、最近ではしまね和牛が人気です。もちろん朝食にはしじみの味噌(みそ)汁が付きます」
――近隣のお薦め観光スポットは。
「島根と言えば、出雲大社や足立美術館が有名ですが、松江城をお薦めします。国内でも数少ない現存天守で、入場しても、外から眺めても立派です。また、松江は茶の湯文化が盛んな土地で、松平不昧公の茶道具などを収蔵する田部美術館もお薦めです」
【1泊2食付きで2人1室利用1人1万4千円から】