白ナマヅ伝説残る
第1055回よその旅館ホテル
――名前の由来は。
「今から250年ほど前、青年が母親の足の腫れを治そうと、薬を探して歩き回っていたところ、小さな泉でキツネの親子が体を癒やしていました。キツネが去り、青年が駆け寄ると、泉の中を5匹の白ナマズが泳いでいました。泉はかすかな薬のにおいがして、青年が持ち帰り、母親にかけると、足の腫れが引いて歩けるようになりました。そんな伝説がこの地に残ります」
――効果がある温泉のようですね。
「当館には3種類の湯があります。古くからあるのが鉄泉湯で、伝説のように、アトピーやあせもなど皮膚病に効くといわれます。およそ30年前に掘削したのがナトリウム塩化物泉で、こちらは神経痛や筋肉痛に効くほか、良く温まると評判です。もう一つが人工温泉の麦飯石湯です。ナトリウム塩化物泉を露天風呂で、ほかを内湯で使っています」
――料理は。
「近くに漁港があり、私がセリに参加して魚を仕入れています。この新鮮な地魚を生かした料理をお出ししています。今の時期はアオリイカやカワハギ、アジ、そして出世魚ブリの幼魚フクラギやガンドがおいしいです」
――サービスで心掛けていることは。
「家族経営ですので、アットホームな接客を心掛けています。コロナ下で衛生面には一層気を配っています」
――今後は。
「この地で商売を始めたのが1801年から。背伸びをせず、でも誇りをもって、皆さまに喜んでもらえるよう、これからも努めていきます」
――1泊2食の料金は。
「税別8千円からです。学生の合宿も受けており、そちらは別途ご相談に応じます」
【11室、約50人収容】