【ちょっと よろしいですか 77】「新潟プレミアサロン」再開 山崎まゆみ


山崎氏

 2019年3月にスタートした「新潟プレミアサロン」は、東京の表参道・新潟館ネスパスを会場に、毎月第3月曜日の15時~19時に開催されていました。順調に回を重ねて定着してきたかのように思えた頃、新型コロナウイルスがまん延し、1年ほどお休みを余儀なくされました。

 ようやくコロナ収束の兆しが見えてきたので、コロナ感染予防対策を万全にした上で、11月15日に待望の再開となりました。当日は花角英世知事もお立ち寄りいただきました。

 本連載でも何度か話題にしていますが「新潟プレミアサロン」は、新潟県にゆかりのある方を対象に、新潟の旬の話題や情報をご紹介すること、および参加される方々のネットワークの充実と拡大を目的としたサロンです。事実、2019年後半はメディア露出が増えたように見受けましたし、何より参加者同士のつながりが深まり、商談や商品開発にまで発展した例を知っています。

 私は毎回、コーディネーターとして司会進行、出展される方々へのインタビュー、また参加された方々をさまざまな方面につなぐ役割を担っています。
 サロンは毎回テーマを設定し、そのテーマに則した新潟の自治体や企業の方が出展します。今回は、「新潟のものづくり~百年物語~」でした。

 出展されたのはまず、新規創業や企業の第2創業、新分野進出を促進するとともに、産学連携や成長分野への支援などに取り組む公益財団法人にいがた産業創造機構。

 近年は、「これからの百年も大切にしたい生活とそのための道具たち」というコンセプトを、「百年物語」と題し、新潟の逸品を発信しています。

 また、「百年物語」の商品を取り扱うショップとして、昨年、東京日比谷OKUROJIに新潟セレクトショップ「NIIGATA1〇〇」を立ち上げたJR東日本新潟シティクリエイト株式会社も出展。

 ショップ内の角打ちでは、新潟の職人技術が生んだ和膳や器で供される、新潟の美酒佳肴を楽しめます。 

 メーカー2社も参加されました。

 明治初期創業の老舗和家具メーカー株式会社大湊文吉商店。屏風(びょうぶ)や組子、家具製造の技術を生かし、現代の生活に必要とされる商品開発をしています。例えば、屏風の技術「組子細工」を活用し、「和膳」や「乱れ組子行灯(あんど)」が生まれました。「和膳」は、フレンチやイタリアンの名店からたくさんオーダーが入っているようです。

 そして、県央地域が誇る鎚起(ついき)銅器メーカー株式会社清雅堂(せいがどう)。鎚起とは、1枚の金属素材をさまざまな種類の鎚と当て金を使い、打ち延べ、打ち縮めて製品を作りあげる伝統技法です。鎚起といえば、私は銀色しか知りませんでしたが、清雅堂は独自の手法でブルーや茜色といったオリジナルカラーの開発に成功しました。なんとも言えない趣深い色彩です。

 株式会社大湊文吉商店も株式会社清雅堂も、海外の富裕層からのオーダーや「コロナが収束した後には必ず訪ねたい」と熱烈なラブコールが届いているそうで、新潟の逸品が世界に広まっていくのはすぐ先のようです。

 さて、さる10月4日に発表された「第13回観光庁長官表彰」に、新潟県の取り組みが二つ受賞しました。

 そのうち一つが「燕三条 工場の祭典」実行委員会でした。工場の祭典とは、ものづくりの現場(工場)をオープンにしてお客さんにご覧いただき、購入してもらう「産業観光」の見本のような取り組みです。

 新潟が生み出した物や技術でお客さんが呼べることを実感しています。

(温泉エッセイスト)

 
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