2020年春をめどに、航空大手2社が旅行会社向け割引航空券を、変動料金制に移行する方針を固めたというニュースが最近リリースされた。このことを受けて、今号では今後さらに主流になると思われるDP(ダイナミックパッケージ)について、考えてみたい。
これまで各旅行会社は、航空会社から旅行会社用や団体旅行用にあらかじめ数カ月先の価格の提示を受け、それを基にツアーの価格を決定し、パンフレット等で販売をしてきた。かつ、基本的には個人手配の航空券よりも割引となっていたために、一つの旅行を考えた時に(移動代+宿泊代金)価格競争力のある商品造成が可能であった。
それが、料金変動制に移行するということは、先々、何カ月という商品を提示するパンフレット等の商品が出しにくくなるということである。従って、今後はますます、お客さま自身が自分で航空券と宿泊、着地型観光を自由に選んで組み立てるDPでの購買が促進されると想定される。
そこで、今一度自施設のDPの設定を見直してみてほしい。国内OTAでも設定画面があるので、きちんと設定がなされているかのチェックが大事である。設定に一手間かかるため、意外と設定漏れしているケースもあるので要注意だ。
なお、OTAのDP商品は航空券とのセット価格で販売されており、宿泊施設単体の料金が見えないため、クローズドマーケットと考えて、通常価格より割引で集客を狙う宿泊施設もあるので、もしオープンマーケットでの割引がしづらいようであれば、検討してみてほしい。
また、海外OTAにおいても、DP商品への参画が可能ではあるが、こちらはあらかじめ指定された割引率があることが多いので、その価格帯で販売しても可能か等の精査が必要である。例えば、日本国内は閑散期ではあるが、海外では大型連休がある時に思い切ったDP商品で海外ゲストを集客するという戦術は有効になり得る。
インバウンドの増加やLCCの発達により、今後も空の移動は発展をし続けると想定されるので、この機会に今一度、自施設のDP戦略について見直してほしい。(株式会社アビリブ・株式会社プライムコンセプト 内藤英賢)