足元では感染が拡大するエリアが出ており、それに伴い一部のエリアでは、Go Toキャンペーンの一時停止や自粛要請が出ている。その際に発生する際のキャンセル料については、国で保障するというのが、概ね今の流れであるが、今号では、そのキャンセル料について考えてみたい。
一口にキャンセル料と言っても、一律の基準があるわけではなく、個々の施設に委ねられている状況である。以前にも提唱したが、主に旅館で一般的な「3日前から発生する」という慣習的基準がもはや時代にそぐわないと感じている施設も多いのではなかろうか。
例えば、年末年始であるが、予約の泊数も多く、人数も多く、使用する部屋も多いというケースが多い。3世代家族7名で、2部屋、12月31日から連泊するなどのケースである。かつ年末年始の予約というのは直近で入りにくいため、仮にこのような予約が12月25日にキャンセルとなった場合は現行のポリシーでは黙って受け入れるしかない。そのような予約が数件重なれば、もはや集客する術もなく、結果として、高需要日に空室が生まれてしまうというケースが起きてしまうのである。
従って、そこで「仕方がない」と終わらせるのではなく、果たしてこのキャンセルポリシーが適正なのかを見直す必要があると思われる。Web集客に強い旅館、Web比率が多い旅館では既にキャンセルポリシーを2週間前からに設定したり、1カ月前からに設定したりと、自施設の状況に応じて柔軟に変更している。新型コロナとGo Toの影響でオンラインの個人予約が増えた今、見直す良い機会であると思う。
もちろん、このような前提を踏まえた上で、現在は新型コロナの感染に伴い、予約が直近化しているために、キャンセルポリシーを緩めるプランを出したり、ガイドラインに従い、体調不良のお客さまのキャンセル料の徴収を柔軟に対応したりするなどはイレギュラーで発生し得るとは思う。
今後、インバウンドが復活し、再び海外のお客さまが増えた時にもキャンセルポリシーの問題は発生すると思われるので、今一度、見直しをしてみてほしいと思う。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)