3年ぶりに高需要が期待できる夏が訪れようとしている。足元で感染者がじわりと増えており、全国旅行支援に慎重な見向きもあり、油断大敵ではあるが、それでも期待せずにはいられない夏となりそうである。集客に期待が持てる半面、人手不足の中でのオペレーションに不安を覚える施設も多い。そこで、今回は夏に向けていくつか業務効率が上がるであろうポイントを見ていきたい。
まずは、電話である。電話はなるべく減らさないといけない。そのために、あらかじめ電話での問い合わせが多いような事項はホームページ(HP)やOTAに「よくある質問」としてまとまっているか確認してほしい。細かく言うと、駐車場の問い合わせが多い、あるいは料理内容に関する問い合わせが多いなど、特定の項目での質問が多い場合は、HPでの情報が不足している場合があるので、お客さま目線でよく見直してほしい。
続いて、チェックイン時間の短縮を意識する必要がある。今年は通常のイン業務に加えて、キャンペーンの説明や接種証明確認などのプラスアルファの説明事項がある可能性が高いので、効率的なオペレーションを組まないとお客さまをお待たせしてしまうことになる。そのためにはチェックイン業務の見直しが必要である。重要事項とそれ以外を区別し、重要事項のみをしっかりと伝えて、他の事項は別のツールを使って補完する形がお勧めだ。
われわれも「プライムコンシェルジュ」という製品をリリースしている。QRコードを読み取ってもらえれば、その施設の情報がすべてお客さまのスマホで閲覧できるという製品で、まさに今回のような時のために開発したものであるので、興味がある方は見ていただきたい。
続いてアメニティバイキングの導入の検討である。脱プラスティックの流れで、客室へのアメニティ設置は最小限にとどめて、フロント周に設置して必要なものを選んでいただくスタイルが広まっているが、これは実は客室セットの業務軽減や清掃業務の軽減にもつながっている。時代に即したサービスでもあるので、導入を検討してみてもよいと思う。
まだまだ業務改善につながるポイントはたくさんあるが、一つ一つの積み重ねが日単位、月単位、年単位で見ると大きな生産性の向上へとつながるので、この夏を良い機会として見直してみてほしい。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)