今号では、恒例の年末年始の動向について述べたい。全国旅行支援が動きだしたこともあり、年末年始の動きも活発化している中で、あくまで一般的な動向となるが見ていきたい。
端的に言ってしまえば、今年の年末年始は順当である。12月31日が例年通り突出した需要となっており、1月1日がそれに続く。そして、12月30日と1月2日の動きもよく、仕事納めとされる12月29日も堅調に動いているという極めて順当な状況である。
1月3日が例年通り曲者で、今年は1月4日が水曜日で休みではなく、3日までが年末年始の休みという方も多いため、やはり需要としては高くはない。料金のコントロールには注意したいところである。12月28日も需要は底堅く、これから予約が増えてくることが予想されるので、注意して見ていきたい日である。
全国旅行支援がいったん12月20日までとなっているため、その反動もあり少し難しい予想となっていたが、年末年始に関しては順当に動いているという所感である。ただ、12月21~27日がまさに反動を受けて今のところは需要が低迷している。従って12月21日や22日を休館にして、全国旅行支援と年末年始の間のつかの間の休みとしている施設も見受けられる。
懸念は、最近の報道で第8波の入り口に入ったとする報道もあるように、再びコロナの動向への警戒は必要である。2020年も21年も秋に旅行支援があり、冬に向けて感染者が増えて需要が低迷するというパターンを繰り返してきた。
逆に明るい兆しはインバウンド需要である。コロナ以前よりインバウンド需要の高かったエリア(大都市圏であったり、海外の方に人気の温泉地であったり)は、全国旅行支援が終わる12月20日付近からインバウンド需要が膨らみ、予約状況が好調となっているケースもある。これは10月11日のFITの解禁の影響であると考えられる。
旅行支援に関しても、年明け以降も実施の方向性で検討中との報道があったように、この先も大いに期待したいところである。全国旅行支援で忙しい中ではあるが、年末年始にも目を向けて先へとつなげていっていただきたい。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)