「パーキンソンの法則」というのがある。今から70年近く前に、イギリスのパーキンソンという人が実例分析をもとに発表したものだ。
《役人の数は仕事の量に関係なく一定の割合(年率5.17~6.56%)で増加する》、《役人は部下を増やすことに熱中し、お互いのために仕事をつくるから、仕事の重要さとは無関係に役人が増えてしまう》、《人数が増えてくると、互いに仕事をつくり合い、最初は1人でできた仕事も、どんどん雪だるまのように増えていって、それでどんどん忙しくなる》…。
役人ならずとも、多くの人が大なり小なり思い当たることがあるのではないだろうか。とかく私たちは、足すことだけを考えがちである。
やることが増えると、一つ一つの仕事の「価値」はたいてい薄まっていく。また仕事の精度はかえって落ちることが多い。それでいて現状の人員でこなすことがだんだん難しくなり、その挙句、「人を増やさなければ回らない」ということになる。
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