【テツ旅、バス旅 31】2022年の鉄道新線 鎌倉 淳


 2022年には、西九州新幹線・武雄温泉―長崎間66キロが開業します。途中、嬉野温泉、新大村、諫早の3駅を設置。未開業の博多―武雄温泉間は在来線特急によるリレー方式で結びます。博多―長崎間の所要時間は最速1時間20分程度となり、現在の約1時間50分から30分程度短縮。JR九州は、22年を「西九州新幹線の年」と位置づけPRする姿勢で、長崎県は大いに盛り上がるでしょう。

 新幹線の新路線は16年の北海道新幹線新函館北斗開業以来、6年ぶり。11年に着工が決まった3区間で初開業という点でも注目です。長崎県は新幹線駅がある31番目の都道府県となり(ミニ新幹線含む)、全都道府県の約3分の2に新幹線が行き渡ることになります。

 22年に開業予定の鉄道新線は西九州新幹線だけですが、22年度という枠組みで見ると、東急・相鉄新横浜線、福岡市営地下鉄七隈線博多延伸、宇都宮ライトレールと目白押しです。これらは23年春頃の開業が見込まれますが、工事が順調なら前倒しになるかもしれません。

 なかでも期待度が高い大型新線といえば、東急・相鉄新横浜線でしょう。東急日吉駅から新横浜駅を経て相鉄西谷駅に至る路線です。東急東横線や目黒線から新横浜への直通列車が運行される予定なので、東急沿線から東海道新幹線へのアクセスが改善し、利便性が高まります。

 大阪駅のうめきた地下ホームも23年春の開業が見込まれていて、関空特急「はるか」や紀勢線特急「くろしお」が大阪駅に乗り入れそうです。関西空港や大阪府南部・和歌山県から梅田エリアへ、乗り換えなしで行けるようになります。

 22年に事業着手が見込まれる路線としては、東京メトロ有楽町線豊洲―住吉間、同南北線白金高輪―品川間が挙げられます。いずれも前年の国交省交通政策審議会答申で事業化の方向性が示され、22年度に環境アセスの準備に入りそうです。同じ答申で検討の深度化が示された臨海地下鉄も、22年度に事業計画の検討が進められ、実現に向け動きだしそうです。

 鉄道新線は、事業着手から開業まで10年程度かかるのが一般的です。今年着手すれば、開業は30年代前半です。その頃には羽田空港アクセス線やリニア中央新幹線、なにわ筋線などが開業している可能性が高く、大都市圏の鉄道網が大きく変わりそうです。

 (旅行総合研究所タビリス代表)

 
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