【データ】お風呂とアトピーに関する調査


 バスリエは3月29日、お風呂とアトピーに関する調査の結果を発表した。

お風呂に関わる企画・開発・販売などを行うバスリエ株式会社(千葉県我孫子市、代表取締役:松永 武「以下、バスリエ」)が行なった、お風呂とアトピーに関する調査結果をお知らせします。

お風呂は一日の疲れを癒す、日本人にとって欠かせないもの。しかしそんなお風呂が原因で皮膚疾患に影響が出てしまう!という方も少なからずいるようです。その皮膚疾患のひとつに当たるアトピー。アトピーは完治がなかなか難しいとされ、症状の差はあれど非常に多くの方が悩まされています。

では、アトピー疾患を持っている方たちは、実際お風呂に入ることでどのような影響が出、そのためにどのような対策をとっているのでしょうか。バスリエが行った調査を元に解説していきます。

【コンテンツの内容】
・アトピー体質でもお風呂が好き!全く入らない人は1割未満
・入浴前後で悪化は23.5%!入浴剤は使ってる?
・アトピー悪化を防ぐために!みんながやっている入浴の工夫
・お風呂とアトピーに関するQ&A

  • アトピー体質でもお風呂が好き!全く入らない人は1割未満

 

アトピーが出やすい箇所は上半身

成人だと一般に上半身にアトピーが出やすいと言われていますが、それが合致した形となります。

アトピー体質でも6割は週3入浴

お湯に浸かると痒みや赤みが増すなど、アトピー症状が悪化するという声をよく耳にしますが、アトピー症状を持っているひとでも、65%と多くのひとが週3日以上は湯船に浸かっているという結果となりました。

重症度別に見ても、症状の重い人でも44%の人は毎日、16%の人は週に3~6日入っているという結果となり、アトピーの影響でお風呂を控えているというひとは少ないようです。

設定温度・入浴時間はどうしてる?

入浴の設定温度としては39~40℃程度という回答が7割で最も多くなりました。

アトピー体質の方の入浴には、40℃以下の、適温から少しぬるめが良いとされていますので、温度に関しては大半の方が正しい設定にしていることがわかります。入浴時間としても、15分以下に留めると症状悪化が抑えられますので、こちらも7割以上の人が適切な時間で入浴していると言えそうです。

重い症状の人は石けん派が多数

体を洗う際に使用しているものを見てみると、ボディソープが57%と、半数以上となりました。

これに関しては、アトピー体質などお肌の弱い方は、できれば石けんを使うことが理想です。石けんは天然油脂から作られ合成界面活性剤が入っていないため、ボディソープよりもお肌に優しいという特徴があるためです。

症状別に見てみると、症状が軽めの人は約6割の人がボディソープを使用している一方で、症状が重めのひとはボディソープは4割弱、それ以外は石けんという結果となりました。

体を洗うアイテムに関しては、症状が軽い人よりも重い人のほうが、気を使っているということがわかります。

  • 入浴前後で悪化は23.5%!入浴剤は使ってる?

入浴前後でアトピー症状はどう変化した?

入浴後の症状の変化については、悪化した人が23%、軽減した人が20%で若干悪化した割合が高いものの、さほど大きな差にはならず、変わらないという人が半数以上となりました。

どのように変化したかを見てみると、悪化した人に関しては“痒みが増したという症状が6割弱ということでトップに。
痒みというのは“ヒスタミン”という成分に関係しています。熱すぎる湯に長時間浸かることで発生する成分で、痒み・赤みを誘発させる原因となります。

入浴剤に関しては、全く使用しないというひとが4割、時々使用する・ほぼ毎日使用する5割以上ということで、アトピー体質でも使用しているひとのほうが多いということがわかりました。

但し、こちらも症状の重い人に関しては使用しないが66%、使用するというひとは27%ということで大きく差がつきました。

なお、入浴剤でアトピー悪化を経験したことがある人は2割ほど。入浴剤には有効成分に加え、香料・着色料など様々なものが含まれます。お肌に優しいと謳われているものでも、肌質に合うか合わないかに拠ってしまうところが大きいため、どれがNGなのか、また症状が軽いから大丈夫なのか、といったことは一概には言えません。

  • アトピー悪化を防ぐために!みんながやっている入浴の工夫

症状の差はあれアトピーに悩む人は少しでも軽減しようと、お風呂でも色々と工夫をしている人が多いことと思います。
みなさん実際どのような工夫を行っているのか、見ていきましょう。

トップにきたのは“体をごしごしこすらない”。続いて“入浴後の保湿”です。これらは皮膚科等で指導されることが多いかと思います。
これに加えて、お風呂の入り方として、湯温を高くしすぎない、長湯しすぎないということも重要です。
前述の通り、高い温度の湯に長時間入ることで、痒み物質が発生し症状悪化を招く恐れがあるためです。
これらの工夫は割合的には2割以下と大変低くなりましたが、前項の結果を見ると、高温・長湯で入浴しているというひとは低い割合となっていたため、多くのかたが無意識に高温・長湯は避けていると思われます。

  • お風呂とアトピーに関するQ&A

 

ここからは、アンケートに寄せられた疑問や困っている点について、回答していきます。

Q:熱い湯に長時間使っているとアトピーが悪化するのでしょうか。
A:悪化します。
42℃以上の高温の湯に浸かることで、ヒスタミンという痒み物質が生成され、それによりアトピー症状の悪化を招くと言われています。42℃以下の場合でも、長時間浸かることにより体温が上昇し、同様な現象が起こるため、基本的には40℃以下の湯温度で15分以下の入浴が望ましいでしょう。

Q:アトピーでも入浴剤を使用して大丈夫でしょうか?
A:入浴剤に拠ります。
アトピーと一口に言っても、何が原因物質で反応するのかは様々です。もちろん重症度のの違いもあるため、一概にどの入浴剤がOKなのかNGなのかということはできません。ただ香りや色の強いものはそれだけ刺激が強いため、酷いアトピー症状のある方は避けたほうが安心です。
市販されているものの中にはアトピー肌のためのやさしい保湿系入浴剤もあるので、そういったものを試してみるのも良いでしょう。

Q:毎日お湯などでこすったり、洗ったりも良くないのでしょうか。
A:こするのはNG、撫でるように洗いましょう。

アトピー肌か否かに限らず、お肌をこすり洗いするのはNGです。必要な皮脂まで落としてしまい乾燥を招いたり、お肌を傷つけてしまいます。特にアトピー肌の方は、石けんを良く泡立てて、手で撫でるように洗いましょう。ボディタオルやスポンジを使いたい場合には、アトピー肌向けの優しいものを使用しましょう。
また、アトピー肌は常に皮膚を清潔に保つことも大切ですので、必ず毎日全身洗い流すことを心がけましょう。

Q:症状が悪化することが温泉で多いのですが、何か関係しているのでしょうか。


A:刺激の強い泉質のせいかもしれません。

硫黄成分の強い泉質などは肌への刺激が強いため、アトピー肌の場合、症状が悪化する可能性があります。殺菌力の高い酸性泉などはアトピーに効くとも言われている一方、こちらも刺激が強く人によっては悪化を招く場合も。やはり入浴剤同様重症度やその人の肌質に拠ってしまうところがあるため、温泉に入る際には必ずこの泉質を確認して入り、合う・合わない泉質を知る必要があります。

【調査概要】
調査期間:2022年1月~2023年2月
調査主体:バスリエ株式会社
調査手法:インターネット
調査エリア:全国
調査対象:アトピーに関心のある男女200名
有効回答数:200名


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