成長を続ける国内アウトドア市場、2018年は前年比107.5%の5,007億7,000万円
矢野経済研究所は3日、アウトドア市場に関する調査の結果を発表した。
1.市場概況
2018年の国内アウトドア市場規模は、前年比107.5%の5,007億7,000万円と推計した。スタイル分野別では、ライトアウトドア分野が市場全体の54.8%、次いでライフスタイル分野が22.2%を占める。
アウトドア市場では若年層からシニア層に至るまで幅広い層でキャンプの人気が続いており、キャンプを含むライトアウトドア分野の拡大が続いている。平日や冬季など、従来シーズンオフとされてきた時期にキャンプを楽しむ人が増えていることから、スポーツ量販店におけるキャンプ用品売り場は通年展開となり、キャンプ場では繁閑の平準化が進んでいる。
また、アウトドアブランドのウエアやシューズを普段使いするライフスタイル分野は、有力アウトドアブランドが街歩きや旅行、通勤・通学でも一般消費者に受け入れられていることから、好調が続く。
2.注目トピック~アウトドア用品の売り場が拡大
ライトアウトドア分野(キャンプ、ハイキング、野外フェス等)やライフスタイル分野(街歩きや旅行、通勤・通学等)における消費者需要の高まりを受け、アウトドア用品の売り場は増加傾向にある。
スポーツ量販店はアウトドア専門業態の開発や既存店の改装を進めている。最後発となったアルペンは、2018年以降登山用品専門店「アルペンマウンテンズ」やキャンプ専門店「アルペンアウトドアーズ」の出店を増やしている。また、アウトドアや登山の専門店でも新規出店の動きがみられる。ワーキングウエア専門店や海外資本の総合スポーツSPA (製造小売業)など新たな企業の参入も相次ぎ、アウトドア用品関連の売り場は2019 年以降も増加が見込まれる。
3.将来展望
2019年の国内アウトドア市場規模は前年比104.4%の5,230億4,000万円と予測する。スタイル分野別ではライフスタイル分野が前年比107.6%と最も高い伸びを示すとみる。この背景には、有力アウトドアブランドの人気が2019年も継続しており、梅雨から初夏にかけての天候不順の影響でレインウエアなど高単価の商品が好調に推移していることがある。
また、ライトアウトドア分野では、大型連休中に連日満員となるキャンプ場が出るなどキャンプが好調で、施設需要に加え、関連用品などにも需要が波及している。
2019年もキャンプ用品やライフスタイル分野向けのアパレルやシューズ、バッグ類は好調であることから、引き続きアウトドア市場全体を牽引していくとみる。
調査要綱
1.調査期間: 2019年4月~8月
2.調査対象: 国内アウトドア用品メーカー、卸売業、小売業、アウトドア関連施設、サービス企業・団体、その他業界団体等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査を併用
4.発刊日:2019年8月9日