「利用難しい」日本20%、米国6%
63%が「社内会議ウェブでも」
新型コロナウイルス感染症対策で国内の各企業がテレワークを導入する中、リサーチ会社のJ.D.パワージャパンはこのほど、「テレワーク下におけるWEB(ウェブ)会議利用に関する日米調査」の結果を発表した。調査では、コロナウイルス感染拡大下での、日本とアメリカにおけるウェブ会議の利用状況や、利用端末、利用者の評価などが明らかになった。
直近で利用したウェブ会議システムは、日米ともに「Zoom」が最多となった。日本では首位の「Zoom」(30%)と2位の「Skype」(25%)が拮抗。「Microsoft Teams」(16%)などが続く。一方、アメリカでは「Zoom」が48%を占め、他を引き離した。
ウェブ会議への接続・参加デバイスは、「パソコン(ノート/デスクトップ)が日本では67%、アメリカでは74%を占めた。他の「スマートフォン」や「タブレット」などの端末を大きく引き離し、パソコンがウェブ会議時の主要デバイスとなっている。参加に当たって利用したマイクは、「端末本体(PCやスマホ等)の内蔵マスク」が最多で、日本では63%、アメリカでは71%を占めた。
ウェブ会議への接続についての意識は、「とても難しかった」「やや難しかった」の割合の合計が、日本では23%だった一方、アメリカでは9%にとどまった。同様に、各機能の利用に関する意識でも、「とても難しかった」「やや難しかった」の割合の合計が、日本では20%で、アメリカの6%を大きく上回っている。
ウェブ会議の導入時期に関しては、日本では61%が、新型コロナウイルスの感染拡大が目立ち始めた「今年の2月以降から」利用したと回答している。
ウェブ会議中のトラブルに関しては、「音声が聞き取りにくい」が日本では29%、アメリカでは17%で、ともに最多となっている。以下、「途中、接続が切れる」(日本で19%、アメリカで12%)や「画面共有が遅延する・遅れる」(日本で16%、アメリカで15%)などが続く。
今後のテレワークやウェブ会議システムの利用意向に関しては、日本では80%が「コロナウイルス収束後も在宅勤務という働き方があってもよい」、63%が「今後、社内会議はウェブ会議でも問題ない」と回答した。
アメリカに比べてウェブ会議への苦手意識がやや強いことが浮かび上がった日本だが、2月以降、多くの国内企業がウェブ会議を開始し、利用時の不具合等を共有、修正しながら日常の業務に臨む現況がうかがえる。社内会議をウェブ会議に本格的に切り替えたり、在宅勤務を積極的に導入したりしようという意向を示す企業も多い。
会議中の遅延や不具合など、デバイス利用時に生じるトラブルが改善され、各社員のデバイス利用スキルが向上していけば、コロナウイルス収束後も在宅勤務を推し進める企業はさらに増加すると見込まれる。