電通は27日、マーケティングDX調査2021の結果を発表した。
株式会社電通(本社:東京都港区、社長:榑谷 典洋)は、企業の役職者(経営者・役員・本部長/部門長・部長職以上)364名を対象に、「マーケティングDX調査2021」(以下「本調査」)を実施しました。
本調査では、「マーケティングDX」を“生活者を中心に捉え、デジタルを活用した新たな顧客体験の創造を通じた事業・マーケティング活動全般の変革”と定義し、【図表1】に示す⓪DX戦略(ビジョン、顧客志向性、DX進捗度)とマーケティングDX推進に重要な4つの領域(①顧客体験変革、②システム変革、③データ・人材変革、④組織・業務変革)における自社の取り組み状況や重要度などを聴取し、2020年に実施した調査との経年比較や、マーケティングDXで成果を創出している企業の特徴・傾向を分析しました。
【図表1】電通が定義するマーケティングDX領域
<主なファインディングス>
(1)マーケティングDXの取り組みを進めている企業は86.8%に上り、成果が出ている企業も 49.6%(2020年)から60.4%(2021年)に増加した。
(2)マーケティングDX関連領域①~④における取り組みは、「金融」「情報通信」で前年より進展しており、「消費財」は横ばい。
(3)「マーケティングDXで成果を創出している企業」は、そうでない企業と比べて、人材や組織、顧客体験を重視する傾向が見られた。
<詳細データ>
マーケティングDXの取り組みを進めている企業は86.8%に上り、成果が出ている企業も49.6%(2020年)から60.4%(2021年)に増加した。
【図表2】マーケティングDXの取り組み状況と成果の有無
(2)マーケティングDX関連領域①~④における取り組みは、「金融」「情報通信」で前年より進展しており、「消費財」は横ばい。
マーケティングDX関連の4領域(①顧客体験変革、②システム変革、③データ・人材変革、④組織・業務変革)それぞれに関連する複数の設問について、自社の現在の取り組み状況を5段階評価で回答してもらい、平均値を「取り組みスコア」、前年と比較した結果を「伸長率」として算出した。「金融」「情報通信」「消費財」の3業種についての傾向は以下の通り。
●「金融」は、他業種に比べて全体的に「取り組みスコア」が低い一方で、前年からの伸長率が高く、特に「③データ・人材変革」「④組織・業務変革」領域の取り組みが進展している。
●「情報通信」は「取り組みスコア」が全体平均より高く、領域別では、「④組織・業務変革」の伸長率が高い。
●「消費財」も「取り組みスコア」が全体平均より高い一方で、前年からの伸長率はほぼ横ばい。
【図表3】マーケティングDX関連の4領域における、業種別の取り組みスコアと前年からの伸長率
(3)「マーケティングDXで成果を創出している企業」は、そうでない企業と比べて、人材や組織、顧客体験を重視する傾向が見られた。
「マーケティングDXで成果を創出している」グループが、「成果を創出できていない」グループに比べて「重視している取り組み」の高い項目を分析すると、「マーケティング施策のデータ収集と蓄積」というDXの基本的な要素に加え、人材や組織、顧客体験に関連する施策が上位に挙げられた。
【図表4】重視しているマーケティングDX関連の取り組み
(マーケティングDXで成果を創出しているグループと、そうでないグループの差分)
電通では、各企業が、「マーケティングDX」推進における自社の現在地・課題を客観的に把握し、取り組みの優先順位付けができるよう、「DX診断」を無償で提供しています。また、人材・組織に関するニーズの高まりに応え、企業内の「組織別」のDX進捗度を可視化するソリューションとして「DX診断 for Internal Divisions」も有償で提供しています。 URL:https://www.d-sol.jp/solutions/dx-shindan
<調査概要>
・タ イ ト ル :「マーケティングDX調査2021」
・対象エリア:全国
・サンプル数:364ss
・対象者条件:
【役職】
従業員500人以上の国内企業所属の経営者、役員クラス、本部長/部門長、事業・事業企画部長クラス、部長・部長補佐クラス
【担当部署】
経営・社業全般、経営企画・事業開発、営業/営業企画・販売、企画・調査・マーケティング、デジタル統括/推進
・調 査 手 法:インターネット調査
・調 査 期 間:2021年12月2日~12月9日
・調 査 機 関:株式会社日経BPコンサルティング