中小企業基盤整備機構は7日、「新型コロナウイルス感染症の中小・小規模企業影響調査」の結果を発表した。
調査結果
【調査結果のポイント】
- 前年同月比(6月)業績でマイナス影響発生・発生見込みの合計割合は、6.7ポイント減の72.4%となりました。
- マイナス影響の要因は「国内営業・販売に支障」、プラス影響の要因は「臨時売上の発生」が最も多くなりました。
- 今後の対策としてコミュニケーションのオンライン化を進め、新商品・サービス開発に取り組む状況が伺えます。
- 継続して資金面の支援ニーズが強い一方で、6月度は特段の支援を求めていないという意見も増加しました。
【前回(5月)調査結果】 新型コロナウイルス感染症の中小・小規模企業影響調査(2020年5月)
1.前年同月比(6月)の業績影響
- 前年同月比(6月)の業績では、「マイナス影響が発生・発生見込み」の合計割合が前回から6.7ポイント減少し、72.4%となりました。「大幅なマイナス影響が発生(42.8%)」が4.5ポイント減少したことが特に影響しています。
- 業績のマイナス影響が発生する要因は「国内営業・販売に支障」、「国内外出・移動制限」の順に多く、プラス影響が発生する要因は「臨時売上の発生」、「影響の無い商材・業種のため」の順に多くなっています。
2.業種別の業績影響
- 業種別の業績影響は、特にサービス業(宿泊・飲食、その他)において一部業績改善が見られています。これは6月度における移動制限・営業自粛の緩和等が作用したと考えられます。
- 建設業・サービス業(情報通信)は「大幅なマイナス影響が発生」が引き続いて少なくなり、6月度は「変化なし」も増加しました。厳しい状況に変わりはないものの、比較的マイナス影響が抑えられている業種と言えます。
3.現在と今後のコロナ禍対策
- 今後の事業面対策(図表3上段)では「対策なし・今後の対策が分からない(35.5%)」が最も多く、次いで「新たな商品・サービスの開発(24.8%)」、「既存商品・サービスの提供方法見直し(23.1%)」となりました。
- 今後の労務面対策(図表3下段)では「備品(マスク・除菌スプレー)配布・設置(44.4%)」が最も多く、次いで「対策なし・今後の対策が分からない(30.8%)」、「人的距離・ソーシャルディスタンスの確保(23.6%)」となりました。
- 現在と今後の対策を比較すると「新たな商品・サービスの開発」、「既存商品・サービスの提供方法見直し」、「会議・事務手続きのオンライン化」が特に増加しました。コミュニケーションのオンライン化を進めつつ、新たな商品・サービス開発に着手している状況が伺えます。
4.勤務先で求められている支援
- 6月度(橙色)は「特段の支援は求めていない(41.0%)」が最も多く、次いで「無利子・低利子融資(26.3%)」、「休業・事業損失への補償金(20.8%)」となり、引き続き資金面の支援ニーズが多く見られます。
- また「窓口・オンライン上での個別相談(1.7%)」、「起業・創業支援(1.9%)」、「海外販路開拓支援(3.0%)」などの支援ニーズは、引き続き少なくなっています。
- 業績のマイナス影響が続き資金面の支援を求める意見が多くなる一方、6月度は特別定額給付金の支給が進んだためか「特段の支援は求めていない」という回答も、7.9ポイント増加しました。
5.調査報告書