公益財団法人日本交通公社は、1~6月期の国内旅行実施者を対象とした、コロナ禍による旅行への影響、旅行における心理的状況、対策に関する調査「新型コロナウイルス感染症流行下の日本人旅行者の動向(その7)」を9月15日に発表した。それによると、マスク着用や手洗い、うがいなどの実施率は月を追うごとに高まり、旅行実施時のコロナ対策が徐々に進んでいる状況などが分かった。
実施した国内旅行について、コロナ禍の影響で旅行予定に変更が生じたか否かを尋ねた=図1。「予定通りに実施した」旅行件数の割合は、1月には9割を超えていたものの徐々に減少し4月に6.5割と最も低くなった。5月以降は再び増加に転じている。
新型コロナウイルスの影響で変更した国内旅行の内容を聞くと、すべての月で「活動内容や訪問先」が最多だった=図2。最も旅行内容を変更した割合が高かった4月では、突出して多い変更はないが、さまざまな内容の変更が行われていた。
5月は、「泊数」に関する変更が「活動内容や訪問先」の変更に迫る勢い。ゴールデンウイークの旅行は比較的長めの日数での計画も多いため、泊数の短縮がほかの月に比べて多くなったという。
国内旅行実施にあたっての気持ちを尋ねた=図3。1~2月は「新型コロナウイルスに対する不安は感じなかった」「今の状況では自分にあまりかかわりはないと思った」が目立ったが、3月になるとそれらは上位ではあるものの割合は減少、4月以降は「心配しても仕方ないと思った」が最も多くなった。
「旅行先の観光地を応援したかった」「経済の停滞は避けるべきだと考えた」は1月から6月にかけて増加し続けており、コロナ禍による観光地衰退を心配する回答も一定程度見られた。
国内旅行実施中の新型コロナウイルス対応策についても質問=図4。「特に何もしていない」と答えた割合は、月を追うごとに減少しており、コロナ対策の徹底が徐々に進んでいることが分かる。
6月に実施した旅行では「マスクを着用する」は9割以上。「手洗い、うがいを励行、徹底する」「訪問先に設置されているアルコール除菌スプレーを励行、徹底する」も7割を超えている。