前年比18.7%減の4854万人
4月の地震の影響大きく 外国人宿泊は24.5%減
熊本県観光物産課がまとめた「平成28年熊本県観光統計表」によると、同県への平成28年1~12月の観光客総数は前年比18・7%減の4854万4838人だった。4月に発生した熊本地震の影響で日帰り客、宿泊客ともに大きく減少したほか、堅調に入り込みを伸ばしていた外国人客も、地震発生以降大幅に減少しその後回復に至らなかった。
観光客総数の内訳を見ると、日帰り客が20・5%減の4177万3306人、宿泊客が6・0%減の677万1532人だった。このうち宿泊客の県内・県外別の内訳は、県内客が3・6%減の104万8009人、県外客が6・4%減の572万3523人。「熊本地震の被害で休業を余儀なくされた施設があったほか、修学旅行のキャンセルや風評被害と思われる宿泊予約のキャンセルも多く発生した」と観光物産課。夏場以降は「九州ふっこう割」などの施策を展開したことにより、国内客の入り込みが徐々に回復した。
観光客数の前年からの増減を地域別で見ると、熊本地震で甚大な被害を受けた上益城地域が45・1%減で最も減少率が大きかった。同じく宿泊施設、観光施設、交通網が大きな被害を受けた阿蘇地域も上益城地域に次いで減少率が大きく、37・7%減。両地域とも日帰り客、宿泊客数共に大幅減となった。その一方で、天草、山鹿、荒尾・玉名、菊池、八代、人吉・球磨、水俣・芦北の各地域は復旧関係者の宿泊や九州ふっこう割の効果で、観光客総数は減少したものの宿泊客数は前年実績を上回った。
観光客総数の各地域別シェアは、阿蘇地域が20・3%でトップ。以下、菊池地域が14・4%、荒尾・玉名地域が11・6%で続いた。
外国人宿泊客は24・5%減の48万6237人と大きく減少した。これについて観光物産課は、「国際定期便の運休の影響に加え、地震に対する警戒感などもあり、国内客とは違い旅行需要の完全な回復には至らなかった」と分析する。国別シェアは前年とほぼ変わらず、韓国が43・5%でトップ。以下、台湾が24・3%、中国が10・7%で続いた。
観光消費額も減少し、15・0%減の2565億円だった。内訳は、宿泊客が2・9%減の1092億円、日帰り客が22・2%減の1473億円だった。
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