【データ】米在住日本人の新型コロナウイルスのワクチン接種の状況と生活の変化についての実態調査


 ロコタビは18日、「米在住日本人の新型コロナウイルスのワクチン接種の状況と生活の変化についての実態調査」の結果を発表した。

株式会社ロコタビ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:椎谷豊、以下 当社)は、当社が提供している海外在住日本人と海外を訪れる日本人をマッチングする「ロコタビ」に登録しているアメリカ在住者を対象に、新型コロナウイルスのワクチン接種の状況と生活の変化についての実態調査の実施及び結果をまとめましたのでお知らせいたします。

 

ワクチン接種が完了した国民は1割未満の日本。東京オリンピックを控えながらもコロナに抑圧された生活は変わらず緊急事態宣言も続いている。一方でアメリカでは急速にワクチン接種が実施され、「ワクチンツアー」と題して国外からも人が訪れるほどである。実際に接種数は中国に次いで2位、100人あたり接種完了人数は4割を超え、徐々に生活スタイルも変化、アフターコロナの世界がみえつつある。

そこで今回、1万人以上のアメリカ在住日本人が登録するロコタビは、彼らの協力を得て「ワクチン接種に伴う生活の変化」に関するアンケートを行った。ワクチン接種の増加は生活にどのような変化をもたらすのか、アメリカの「いま」を知り日本の「これから」をみつめる。その調査内容と結果について報告いたします。

■調査概要
調査の方法:ロコタビ登録のアメリカ在住ロコへのアンケート
調査実施日:2021年6月11日~6月16日
回答者数:230人
調査主体:株式会社ロコタビ
※本内容を掲載の際は、出典「ロコタビ調べ」と明記をお願いいたします。

  • 結果1:アメリカ在住日本人の9割がワクチン接種

アンケートに回答したアメリカ在住日本人230人のうち196人、約85%が既にワクチン接種を完了していることがわかった。2回必要ワクチンの一回済みなど「途中」と回答した人を合わせると9割以上の日本人にのぼった。現地では「外国人」にあたる彼らも容易にワクチン接種ができる環境であることが垣間見える結果となった。一方、一部でおきているワクチン接種者と未接種者を分別する動きに不安視する声もあがった。

●アメリカ在住日本人の声

「ロサンゼルスのハリウッド辺りに住んでいますが、ワクチン接種が、ウォークインで予約無しで出来る、さらにスーパーの中の薬局でも接種可能なため、現状はほぼコロナの前の生活に戻りつつあります。スーパーやレストランの入場制限もなくなったので、以前のように気軽に入れるようになりました。またチャイニーズシアターあたりには、旅行客と見られる方も最近多くなりました。ワクチン接種の前は、LAの高速道路もガラガラでしたが、今では以前のLA名物の渋滞も復活してます。」(ロサンゼルス在住、30代女性)

「政治の対立や人種差別の様に、接種した人としてない人を対象に差別される様子が明瞭。例えば接種済みの人は無料サービスや割引制度が利用できる他、未接種の人には割増料金を課せられる飲食店等、または飲食店やジムの利用エリアを接種済みと未接種の枠で隔離。それを平気で報道する。しかし子供はまだ未接種で混在していたり、体質上の問題等で接種には意思をもって受ける上、強制ではなく推奨であるにもかかわらず批判や差別をされている。」(ニューヨーク在住、30代女性)

  • 結果2:マスクなき世界も近いアメリカ

街の様子の変化に関してマスク着用率は、「ほぼ着用していない」と回答した人が40%、「あまり着用していない」と合わせると72.2%という結果になった。もともとマスク文化がなかったアメリカとはいえ、ワクチンの普及に伴ってマスクなしで人々が会話をする以前の風景が戻りつつある。一方で、「比較的着用している」と「ほぼ着用している」が27.9%。完全に戻ったとは言えない状況であるとも言える。

●アメリカ在住日本人の声

外であればマスク無しで集まってもok。店舗によってはマスクは無くても入店可能になった。」(マイアミ在住、40代女性)

「CDCのアナウンスにより、ワクチン完了後は、外でのマスク着用の義務がなくなり、外で友人とマスクなしでも話せるようになった。でも、ソーシャルディスタンスは、みんなまだ意識して、ある程度の距離は取っているような気がします。ただ、急に規制が解除になり、リバウンドが不安なので、私自身はワクチン後も引き続き気をつけて、自粛した生活を送っています。」(ニューヨーク在住、40代女性)

  • 結果3:公共交通機関は通常運転、ひろがる行動範囲

公共交通機関の運行状況について、「通常通り運行」が81.7%、「制限付きで運行」が17.4% と移動制限に関しても多くが緩和されている状況であった。

●アメリカ在住日本人の声

外出する人が増えた、飲食店での制限が緩和、学校はリモートから登校へと変化、屋外でのスポーツも活発化」(ニュージャージー在住、60代女性)

行動範囲が増えた。人の表情や、態度が穏やかになった気がする。」(シカゴ在住、50代女性)

「外出を楽しんでいる人が多くなり、密のパーティーや満席のレストランなど(マスクなし)も見かけるようになりました。対人の社交イベントに参加する機会が増えました。地元の観光スポットや商業エリアの駐車場がパンパンに満車になるようになりました。」(ワシントン在住、40代女性)

  • 結果4:飲食店営業含む経済活動が再開

ワクチンの効果で経済が回復しつつあるアメリカ。飲食店の状況について「制限付きでオープン」と回答した人が45.2%に対して、「通常通りオープン」が54.8%。制限を余儀なくされていた飲食店営業も徐々に回復傾向にあることがわかった。実際にニューヨーク州は6月15日、飲食店、娯楽施設、職場などに残る入場規制などを撤廃し、合わせてカリフォルニア州も同日、経済活動を全面再開している。

●アメリカ在住日本人の声

「外食の際に持ち帰りではなく店内飲食ができるようになった。」(サンディエゴ在住、30代女性)

「店の入店制限やマスク着用義務が無くなりました。飲食店が通常営業時間に戻りつつあります。マスクをしていない人が増えてきました。昨年はキャンセルされたファーマーズマーケット等のイベントが再開されています。」(コロンバス在住、50代女性)

「安心感が広がり、人の動きが戻った(規制もほぼなくなったことも大きいが)。観光地のここでは観光客が戻り、様々な店もオープンし活気が戻っている。教会の日曜礼拝も戻りコロナ前に近い状態になった。2020年に中止になったイベントも開催予定。」(ニューポート在住、40代男性)

「街ではワクチン接種率が80%近く、全ての行動制限は解除されました。生活で最も変化を感じるのは、街に活気が戻ってきたことです。レストランは通常営業、昨年は開催が見送られたサマーフェスティバルも今年は開催されます。また賑わいが戻ってきて、嬉しいです。」(ボールダー在住、50代女性)

  • 結果5:現時点での、アメリカ渡航はお勧めできるか

現状、「ワクチンツアー」などアメリカへの渡航者は増加傾向にある。そういった状況に対して、現地の日本人は「全く問題ない」が21.7%、「気をつければ問題ない」が62.3%とポジティブな回答が多かった。日本でも海外渡航する人を対象に早期にワクチンパスポートを導入すべきといった声もあがっている中、渡航先としてアメリカが安心していける可能性が高い事実は、ビジネスなど渡航を要する日本人にとっては前向きな回答となった。

  • アメリカ在住日本人がいま日本に伝えたいこと

アンケートの中で、多くの現地在住者の方々から日本に対するメッセージが届いた。現地からみた日本政府の対応への印象や、ワクチン接種の啓蒙、オリンピックを心配する声なども含め様々な声をいただいた。一部をこちらに記載。

・・・

「私は米国大学で微生物学を教えています。新しいワクチンでもあり、多くの人達が接種に不安を抱いているようですが、mRNAワクチンは現在のところ、安全性も担保されています。特にファイザー社のワクチンの2回目は発熱する人は多いですが、24時間以内に回復しており、問題のある副作用とは言えません。是非とも積極的にワクチン接種をして頂きたいと思います。」(ミシャワカ在住、50代女性)

「SNSなどに惑わされず、自分自身で、ワクチン接種の危険性・有効性に関する情報をしっかり集めて、打つかどうか自分自身で決めるべきだと思います。」(ダラス在住、50代女性)

「日本が海外からの入国者を厳しく制限していますが、海外から見ると日本が非常にリスクが高い国として見えています。」(ホノルル在住、60代男性)

ワクチンの接種が遅れていると聞きとても残念に思います。時間との戦いだと思いますので早急に一人でも多くの方々に接種が広まる事を祈っています。」(ボストン在住、50代女性)

「政府の対応が遅れていること、ビジネスや国民に対する補償が十分ではないこと、ワクチンの配布がとても遅れていること、アメリカから見ていてとても歯痒い思いです。」(ロサンゼルス在住、60代女性)

「ワクチンは賛否両論がありますが、私は接種してよかったといまは感じています。いまはジムも再開し(かなり混んでます笑)映画館にも行けるようになりました。今年の夏はアメリカ国内旅行も気をつけながら、楽しみたいと思います。変異株もまだ怖いですが、Withコロナをお互いに乗り切りましょう!」(ニューヨーク在住、40代女性)

「オリンピック開催との並行でコロナに対する対策まで手が届いてないように思えますが、ワクチンが少しでも普及されることを願っています。新しい薬剤の接種は安易なことではありませんが、ぜひご自身の順番が回ってきた時にはご自身のためだけではなく周りの人たちのためにも接種していただきたいです。日本からお仕事で移住してきた方にも数人お会いしたり日本のテレビ番組なども頻繁に拝見しますがが、コロナ対策に対して意識の薄さが個人的には気になります。国民に対する政府からの補償の薄さも非常に気になり心の痛む思いでした。」(ロサンゼルス在住、50代女性)


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