2016年訪日外国人2040万人、消費額3.7兆円
旅行者数は22%増 消費額伸び率8% 観光庁・JNTO統計
2016年1~12月累計の訪日外国人旅行者数(日本政府観光局〈JNTO〉推計値)は、前年比21・8%増の2403万9千人となり、過去最高を記録した。旅行者数の増加に伴って同年の訪日外国人の旅行消費額(観光庁・訪日外国人消費動向調査速報値)も、同7・8%増の3兆7476億円で過去最高を記録した。
訪日外国人旅行者数は、03年のビジット・ジャパン(訪日旅行促進)事業の開始で増え始め、07年には800万人を突破。リーマンショックや東日本大震災で一時落ち込んだが、13年に1千万人を超え、15年には1973万7千人に達していた。
訪日旅行者数は、中国が600万人を突破するなど、主要市場のうちロシアを除く19市場がこれまでの最高値を更新。クルーズ船の寄港増加や航空路線の拡充、査証(ビザ)の要件緩和、継続的なプロモーションなどが訪日旅行需要を喚起した。
訪日外国人の旅行消費額を市場別に見ると、中国が4・1%増の1兆4754億円、台湾が0・7%増の5245億円、韓国が18・9%増の3578億円、香港が12・2%増の2947億円、米国が17・4%増の2130億円など。
ただ、訪日外国人1人当たりの旅行支出は、円高基調だった為替レートの影響、中国の買い物支出の減少を受けて、11・5%減の15万5896円となった。減少要因について観光庁は、全体としては円高基調だった為替レートの影響が大きく、現地通貨ベースに換算して考えると、訪日旅行への支出の意欲は必ずしも減退していないと分析している。