【データ】2019年の観光庁統計確定 訪日旅行消費4.8兆円


 観光庁はこのほど、2019年の訪日外国人消費動向調査の確報値を発表した。20年1月に公表した速報値から一部の数値を変更した。19年の訪日外国人の旅行消費額は前年比6.5%増の4兆8135億円となった。8年連続の増加で過去最高。クルーズ客を除いた一般客の1人当たり旅行支出は同3.6%増の15万8531円だった。

 国・地域別の消費額は、最多の中国が前年比14.6%増の1兆7704億円で、全体の36.8%を占めた。続いて台湾が同5.2%減の5517億円、韓国が同27.8%減の4247億円、香港が同5.0%増の3525億円、米国が同11.6%増の3228億円。韓国は日韓の政治情勢の悪化で訪日客数が低迷し、消費額も減少した。

 19年に日本で開催されたラグビーワールドカップ(W杯)の出場国では消費額は増加した。豪州が同15.5%増の1519億円、英国が同38.7%増の999億円、フランスが同21.6%増の798億円となった。

 訪日外国人の旅行消費額のうち、一般客(旅行者数2985万6千人)が同7.2%増の4兆7331億円、クルーズ客(同202万6千人)が同22.2%減の805億円だった。クルーズ客の消費額の減少は、一時急拡大した中国発着のクルーズ船の寄港が減少した影響を受けた。

 消費額全体を費目別に見ると、買い物代が1兆6690億円(構成比34.7%)、宿泊費が1兆4132億円(同29.4%)、飲食費が1兆397億円(同21.6%)、交通費が4986億円(同10.4%)、娯楽等サービス費が1908億円(同4.0%)。

 一般客の1人当たり旅行支出は平均が15万8531円で、費目別の内訳は買い物代が5万3331円、宿泊費が4万7336円、飲食費が3万4740円、交通費が1万6669円、娯楽等サービス費が6383円。一般客の平均泊数は8.8泊だった。

 国・地域別の一般客の1人当たり旅行支出(カッコ内は平均泊数)は、政府の訪日旅行促進の重点20市場のうち最高額の豪州が前年比2.4%増の24万7868円(12.9泊)。豪州はスキー・スノーボード客が多く、ラグビーW杯の観戦需要などもあったことから費目別では娯楽等サービス費が1万8540円と高額だった。

 主要な市場では、中国が同5.4%減の21万2810円(7.5泊)で、このうち買い物代が10万8788円を占めた。台湾は同7.3%減の11万8288円(6.1泊)、韓国は同2.5%減の7万6138円(5.1泊)、香港は同0.9%増の15万5951円(6.1泊)、米国は同1.1%減の18万9411円(12.4泊)。

 ラグビーW杯日本大会の出場国では、英国が同9.2%増の24万1264円(12.0泊)、フランスが同10.0%増の23万7420円(17.1泊)となった。

 一方、クルーズ客の1人当たり旅行支出は前年比10.2%減の3万9710円で、買い物代が3万7899円を占めた。


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