【データ】2022年「サステナブル・トラベル」に関する調査結果 Booking.com調べ


 ブッキングドットコムは9日、2022年「サステナブル・トラベル」に関する調査結果を発表した。

ブッキング・ドットコムがこれまでに行った最も広域にわたるサステナブル・トラベルに関する調査を行った結果、日本を含む世界全体において、よりサステナビリティへの配慮や意識が高まっていることが明らかになりました。

  • 日本の旅行者の73% が「サステナブルな旅は自身にとって重要である」と回答しており、29%は、「気候変動に関する最近のニュースが、よりサステナブルな旅を選択するきっかけとなった」と回答
  • 世界全体では71%の中、日本の旅行者の46%が「今後1年間において、よりサステナブルな旅を心がけたい」と回答
  • 日本の旅行者の26%が「過去1年間にオンライン旅行サイトでサステナブルな宿泊施設を見たことがある」と回答し、28%は「宿泊施設が行っているサステナブルな取り組みに関する情報を予約前に積極的に確認している」と回答
  • 世界の旅行者の59%は「訪れた場所をより良い状態にして帰りたい」と回答しており、40%は、「混雑を避けるためにピークシーズン以外のみで旅をしても構わない」と回答
  • 世界の旅行者の23%は「二酸化炭素の排出量を削減するためにより近場の旅先に出かけることを選ぶ」と回答
  • 全世界の10万軒以上の宿泊施設がブッキング・ドットコムの「サステナブル・トラベル」バッジを取得

「すべての人に、世界をより身近に体験できる自由を」を企業理念に、多種多様な宿泊施設や旅ナカ体験、旅行中のシームレスな移動手段を提供する世界最大級の宿泊予約サイト Booking.com の日本法人ブッキング・ドットコム・ジャパン株式会社(本社:東京都港区 以下:ブッキング・ドットコム)は、32ヶ国と地域にわたる30,000名以上の旅行者を対象に実施した2022年度版の「サステナブル・トラベル」に関する調査結果を発表します。本調査*では、人々のサステナブル・トラベルに関する意識やニーズの変化、またサステナブル・トラベルにおける課題が明らかになりました。

本調査*では、日本の旅行者の73% が「サステナブルな旅は自身にとって重要である」と回答しており、旅行者は自身の旅による環境や地域への影響を考慮し、よりサステナブルな旅を選択しようとする旅行者が増加していることが分かりました。

さらに、日本の旅行者の約半分(46%)が「今後12ヶ月間において、よりサステナブルな旅を心がけたい」と回答しており、この数値を2021年のデータ( https://news.booking.com/ja/sustainable-travel-report-2021/ )と比較すると、2022年に同様の回答をした旅行者は4%増加しました。加えて、日本の旅行者の約3人に1人(29%)は、「気候変動に関する最近のニュースが、よりサステナブルな旅を選択するきっかけとなった」と回答し、約4割(39%)は、「サステナブルな宿泊施設を特に探していなくても、サステナブルな宿があればそちらを選ぶ可能性が比較的高い」と回答していることから、日本の旅行者のサステナブル・トラベルへの意識の高まりが伺えます。

一方で、世界と比較するとまだまだ認知度の低さが目立ちます。実際に「宿泊施設と旅先までの交通手段を選ぶ際に、提供会社のサステナブルな取り組みが選択に大きな影響を与える」と回答した世界の旅行者が35%であることに対し、同じ回答をした日本の旅行者は13%にとどまりました。

■サステナブルな取り組みを行う宿泊施設に対するニーズの高まり
サステナブルな滞在に関する意識と認知度は引き続き広がりを見せており、日本の旅行者の26%が「過去1年間にオンライン旅行サイトでサステナブルな宿泊施設を見たことがある」と述べているほか、28%は「宿泊施設が行っているサステナブルな取り組みに関する情報を予約前に積極的に確認している」と回答しました。さらに、過去1年間に「実際にサステナブルな宿泊施設に滞在した」と回答した日本の旅行者は25%を占めており、日本の旅行者の4人に1人はサステナブルな取り組みを実施している宿泊施設への滞在を経験したことがある結果となっています。

世界で「今後1年間において1回以上はサステナブルな宿泊施設に滞在したい」と回答した旅行者は78%にも上り、多くの旅行者がサステナブルな旅を求める中、ブッキング・ドットコムはすべての人がよりサステナブルな宿泊施設をより簡単に見つけ、選択できるようになるには、取り組むべきことがまだ多くあると考えます。過去1年間でサステナブルな宿泊施設に滞在しなかった世界の旅行者のうち、31%は「サステナブルな宿泊施設の存在を知らなかった」と述べています。2021年と比較すると、同様の回答をした旅行者は5%減少し、意識の高まりが見受けられるものの、29%の旅行者が現在も「サステナブルな宿泊施設を見つける方法が分からない」と回答しており、サステナブル・トラベルの認知度はまだ不十分であることが伺えます。また、56%の旅行者は「予約前に宿泊施設によるサステナビリティへの取り組みを積極的に確認してはいない」と回答している一方、「簡単に閲覧できる場合は確認する」とも回答しており、サステナビリティに関する情報を、幅広い層の旅行者により分かりやすく伝える重要性が明らかになりました。

■今までとは異なる旅先や旅の時期のニーズの高まり
過去1年間の旅先について調査すると、世界の旅行者の33%は「ピークシーズン以外の時期に旅行することを選んだ」と回答しており、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により観光客が多すぎる旅行先は避けたいと考える旅行者が増加していると予想されます。また、観光客の過密を避けるため、「知名度が比較的低い旅先を選択した」という旅行者は27%に上り、旅行者は通常の大型連休での旅や人気の観光地へ訪れることよりも混雑を避けることに意識を向けていることが分かります。また、今後の旅について世界の旅行者の40%は、「混雑を避けるためにピークシーズン以外のみで旅をしても構わない」と考えており、64%は、「自分が訪れることによる影響や利益がより平等に地域に分散されるようにするため、人気の高い観光地やアクティビティのある旅先を避けたい」と答えています。さらに、31%は「混雑を避けるため、好みの旅先とは別の旅先に行っても良い」と回答し、今後は今までとは異なる時期や場所へ訪れる旅行者が増加していくことが伺えます。

その一方で、「比較的混雑していない魅力的な旅先を見つけることに苦労している」という世界の旅行者は42%を占めており、34%は「人気のある都市や観光地では、サステナブルな旅の選択肢を見つけることは不可能だ」と感じています。ブッキング・ドットコムでは、高まるサステナビリティへの意識に合わせて、オンライン旅行会社は宿泊施設と協力し、サステナビリティへの取り組みを強化するとともに、旅行者が旅の楽しい経験を犠牲にすることなくサステナブルな旅の選択肢をより簡単に発見できるよう、支援をすることが大切だと考えます。

■文化や地域社会とのつながりが与える影響
世界の旅行者の59%は「訪れた場所をより良い状態にして帰りたい」と回答しており、66%は「現地の文化を代表するような体験を楽しみたい」と回答しました。実際、世界の旅行者の27%は「旅の前に旅先の現地の文化的価値観や伝統について積極的に学んでいる」と回答しており、4人に1人(25%)は「旅先の地域社会へ確実に還元するため、旅行中は普段より多くのお金をかけても良い」と考えていることが判明しました。しかし、旅行中に現地に還元し、地元の人とコミュニケーションを取り、旅先とのつながりを感じたいという想いがあるにも関わらず、34%の旅行者は、「実際に地域社会に良い影響を与え、還元をするための活動やツアーをどこでどのように探せばよいのかわからない」と回答しています。旅行者の関心の高まりに合わせて、具体的な行動につながりやすい情報の発信をしていくことの重要性が感じられます。

■移動に関する配慮の高まり
旅先までの距離や移動方法に配慮することもサステナブルな旅をする方法の一つです。世界の旅行者の約4分の1(23%)は「二酸化炭素の排出量を削減するためにより近場の旅先に出かけることを選ぶ」と回答しているなか、同様の回答をしている日本の旅行者は9%となり、世界と比べると日本の旅行者は旅での移動に関する配慮への意識が低いことが明らかになりました。また、「旅先での公共交通機関やレンタサイクルの選択肢を調べた」と回答した世界の旅行者は22%であることに対し、同様の回答をした日本の旅行者の12%となり、さらには、「環境への影響により、飛行機で移動することについて恥ずかしく感じる」と回答した世界の旅行者は30%いるにも関わらず、日本で同様の回答をした旅行者は20%と、世界と比較すると日本の数値の低さが見受けられます。一方で、日本の旅行者の20%は「車ではなく電車で長距離移動をすることを選択する」と回答し、世界と同じ数値という結果になりました。

旅の移動手段の予約に関する調査では、「積極的にサステナブルな移動手段を探していない」と回答した日本の旅行者は59%に上り、31%は「サステナビリティへの取り組みは移動手段の選択において何の役割も果たさない」と回答しているものの、29%が「予約の際にサステナビリティに関する情報を積極的に探している」と回答したことから、サステナビリティは予約の意思決定と満足度に影響を与えると見られます。加えて、日本の24%の旅行者は、「サステナビリティへの取り組みは移動手段の選択において大きな役割を果たしてはいない」と述べていますが、最終的な選択に影響を与える可能性があるとも回答しました。予約した移動手段がサステナビリティの最善慣行に従っていると、良いことをしたという気持ちが生まれ、その後の旅においてよりサステナブルな選択への意識の変化につながることが期待されます。

■すべての人によりサステナブルな旅を提供するために
これまで、全世界の10万軒以上の宿泊施設がブッキング・ドットコムが昨年末から導入を開始した「サステナブル・トラベル」バッジを取得しています。これを受け、ブッキング・ドットコムは、宿泊施設が本バッジの獲得資格を自動的に得られる第三者機関の認証やラベルの数をさらに拡大しました。また、グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(GSTC)、グリーン・ツーリズム(Green Tourism)、EUエコラベル(EU Ecolabel)に加えて、グリーン・シール(Green Seal)、ノルディック・スワン・エコラベル(Nordic Swan Ecolabel)、グリーン・ホスピタリティ・エコラベル(Green Hospitality Ecolabel)、アイベックス・フェアステイ(Ibex Fairstay)、フェア・トレード・ツーリズム(Fair Trade Tourism)、リード(LEED)、エッジ(Edge)といった第三者機関によってサステナブルな取り組みが正式に認定された宿泊施設も「サステナブル・トラベル」バッジを取得することが可能となりました。

 

ブッキング・ドットコムは2021年の事業運営において、カーボンニュートラルを達成し、2021年末にかけて100%再生可能エネルギーへと移行しました。これは、Booking Holdings(ブッキング・ホールディングス)が発表した「Climate Action Plan(気候変動への対策計画)」に向けての重要な一歩です。世界的な旅行プラットフォームとしては初の試みとなる「気候変動への対策計画」は、ブッキング・ホールディングスが自社の事業、サービス、そして旅行業界をより持続可能なものにしていくための戦略的枠組みとして機能します。SBT(Science Based Targets)イニシアチブ(科学的根拠に基く目標)によって確立された定義と測定方法に従い、「Climate Action Plan」は2030年末までにスコープ1、2の排出量を95%、スコープ3の排出量を50%削減し、2040年までにネットゼロ(排出量と吸収・除去量が差し引きゼロとなる状態)を達成することを目標としています。

ブッキング・ドットコムのCEO、グレン・フォーゲルは次のように述べています。
「天然資源の枯渇や私たちの生活様式が環境に与えている影響を踏まえ、ブッキング・ドットコムは旅行業界をリードし、旅の未来を切り開くために、より配慮された責任感のある行動をすることを約束します。大きな目標を掲げていますが、業界全体のパートナーや従業員の熱意とともに「すべての人に、世界をより身近に体験できる自由を」提供し続けていきたいと思っております。旅は、文化理解を深める力や多くの地域に社会経済的な機会を与える力、また地球環境の長期的な保護と活性化をつなげる力など、様々な良い影響をもたらす強力なパワーを持っています。そして、今後もそうあるべきであると信じています。」

ブッキング・ドットコムによる2022年版の「サステナブル・トラベル」に関する調査レポートの全文はこちら( https://globalnews.booking.com/download/1161485/booking.comsustainabletravelreport2022final.pdf )よりダウンロードしてください。(レポートは英文となっております)

ブッキング・ホールディングスの気候変動への対策計画の詳細に加え、責任感を持って社会と関わり、長期的な社会的価値を推進し、よりサステナブルな旅行業界の実現を促進するための2021年全体のイニシアチブを詳述した、第3回目となる年次のサステナビリティ・レポートの閲覧・ダウンロードについては、bookingholdings.com/sustainability をご覧ください。(こちらのウェブサイトは英文のみとなります)

調査方法
*調査はブッキング・ドットコムによって、32の国・地域の計3万314名の回答者(内訳:アメリカ1,000名、カナダ958名、メキシコ1,009名、コロンビア1,001名、ブラジル1,003名、アルゼンチン1,017名、オーストラリア1,000名、ニュージーランド486名、スペイン998名、イタリア1,003名、フランス996名、スイス495名、イギリス980名、ドイツ998名、オランダ1,014名、ベルギー991名、デンマーク985名、スウェーデン984名、クロアチア964名、ロシア976名、イスラエル1,008名、インド1,002名、中国1,004名、香港925名、タイ1,006名、シンガポール988名、台湾1,002名、ベトナム1,004名、韓国1,004名、日本1,003名、南アフリカ1,006名、ケニヤ504名)を対象に独自に行われたものです。アンケート回答者については、18歳以上であり、過去12ヶ月間に1回以上旅行をしており、および2022年に旅行する予定があり、旅行に関する決定を行う主要な人物またはその決定に関与する人物であることが条件でした。本アンケートは、2022年2月にオンラインで実施されました。


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